宇江左真理という作家に今嵌まっている。宮部みゆきを全部読んでしまって、彷徨っていたころ鳥仲間の一人が教えてくれた。男性より女性作家の方がよりしっくりくると感じていた私にピッタリきた人である。髪結い伊三次捕物余話というシリーズがあってかなりいい。図書館にあるものを手当たり次第に借りて読んでいたら、何か
変。このシリーズの登場人物は時とともに年をとっていく。当たり前のことだが、順に読ま
ないと面白さが半減する。問題は表題に番号がないのだ。ネットで調べて順に借りて読みなおしているくらい私には面白い。7番目に「雨を見たか」という単行本があり、その中にのうぜんかずらが登場する。
「存外に歴史が古くて、何でも唐から渡って来たものだそうです。」
言われてみると、その花は、どこか、この国の花にはない独特の雰囲気がかんじら
れる。
「のうぜんかずらとは、どんな意味なのですか龍之進は花を見つめたままで訊いた。
「のうは覆う、凌ぐという意味があります。ぜんは大空で、かずらはつるのことです。高くつるを伸ばし、空いっぱいに咲き誇る花ということでしょうか」
寒いと嘆いているけれど、確実にのうぜんかずらの咲く時期がきて、暑い道路を掃く毎日がくる。まあ、生きているということだ。私が生きていれば、髪結い伊三次も、女房のお文も同心の不破もみんな私の中で生きている。
もしも、読んでみようかと思ったら「幻の声」が第1作、それから始めてほしい。
変。このシリーズの登場人物は時とともに年をとっていく。当たり前のことだが、順に読ま
ないと面白さが半減する。問題は表題に番号がないのだ。ネットで調べて順に借りて読みなおしているくらい私には面白い。7番目に「雨を見たか」という単行本があり、その中にのうぜんかずらが登場する。
「存外に歴史が古くて、何でも唐から渡って来たものだそうです。」
言われてみると、その花は、どこか、この国の花にはない独特の雰囲気がかんじら
れる。
「のうぜんかずらとは、どんな意味なのですか龍之進は花を見つめたままで訊いた。
「のうは覆う、凌ぐという意味があります。ぜんは大空で、かずらはつるのことです。高くつるを伸ばし、空いっぱいに咲き誇る花ということでしょうか」
寒いと嘆いているけれど、確実にのうぜんかずらの咲く時期がきて、暑い道路を掃く毎日がくる。まあ、生きているということだ。私が生きていれば、髪結い伊三次も、女房のお文も同心の不破もみんな私の中で生きている。
もしも、読んでみようかと思ったら「幻の声」が第1作、それから始めてほしい。