575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

たれが教えてくれたのか  鳥野

2010年03月16日 | Weblog
私鉄の小さな駅、時間待ちのベンチでママと子が弾けるような笑い声をたてていました。

折り紙遊びに夢中。幼子はあのホカケブネ、別名ダマシブネをつまんで、何度やってみても
納得できないようです。

四角な紙さえあれば、わずかな暇さえあれば、の折り紙。
紙も安価な色紙から、高級な木版刷りの千代紙まであり、折り方もマジックかと思われるほど複雑なものまで。

でも、やっぱり「折鶴」の優雅さが一番。”たれが教えてくれたのか、忘れたけれど折鶴を・・」
の歌にあるように、手順はいつの間にか身についているものです。

さて、手元のある反故紙で久しぶりに鶴を折ってみょうかな。

  ・ ざら紙を対角線から折り始め鶴となるころ白の冴えくる

  ・ けさの空は千代紙の藍亡き人に紙飛行機を飛ばしてみよう

                      鳥野
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3月句会の句が集まりました。    遅足

2010年03月16日 | Weblog
庭の沈丁花も、盛りが過ぎ、いまは、桃・黄水仙・菜の花が咲いています。
沈丁花は、なかなかの傑作ぞろい。どの句が選ばれるのでしょうね?


題詠「沈丁花」

①沈丁花植えし息子や居候
②新しき人の声聴く沈丁花
③過ぎてふと気づく母の香沈丁花
④沈丁や議論の杯の右左
⑤抜け道を沈丁の香につまずきぬ
⑥沈丁花暗き夜道を灯しけり
⑦黄昏のひと待つ愁ひ沈丁花
⑧沈丁の匂いに引かれ奥の院
⑨沈丁の香を結界に一宇あり
⑩沈丁花女将店先六十年
⑪沈丁花不死歓楽に飽きて死ぬ

   
自由題

①あかんぼういだきて爺のあたたかき
②舌に沁む禁を破りし春の酒
③粥煮えて二度の目覚めや春の床
④春雨に降りこめられて竜馬読む
⑤不器用が運針にでる春ゆふべ
⑥役終えて掛ける制服春の光
⑦沈丁に眠り薬を処方する
⑧うぐひす来(く)汝は去年(こぞ)の鶯か
⑨眼を病んで兎の翳る朧月
⑩クリームの渦巻くケーキ春の潮
⑪春場所やかますの干物真鶴から

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