575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

散華(さんげ)てふ哀しき言葉朴(ほお)の花  栗田やすし

2010年03月03日 | Weblog
名古屋の俳人、栗田やすしさんの句集「海光」が俳人協会賞を受賞。
という記事が今朝の中日新聞に載っていました。

栗田さんの師は、故沢木欣一。
師の残した「沖縄」というテーマを選び
句集も沖縄の海をイメージしてつけられたという。

  強東風(つよごち)に甘蔗(きび)ざわめけり激戦地
  
旧三重海軍航空隊で訓練受け、戦死した操縦士への思いを馳せた句。

  草萌(も)ゆる予科練生の夢見し地

「身近な言葉を俳句にすると輝きが増す。戦争で命を失った人への
思いや日本の美しい自然を俳句に託して残したい」と栗田さん。

栗田さんは、絵門さんの先生で、中日俳壇の選者でもあります。

   

句集で自選句とされている句です。

  木瓜咲くや怠け教師として終る
  負け牛の目の血走れる炎暑かな
  秋風や石あればみな風化仏
  海光やこぼれて白き花月桃
  橡の実に屈めば妻も来てかがむ
  滝凍てて全山音を失へり
  ふち焦げし原爆の日の目玉焼
  鷹鳩と化して離島に王の墓
  蜥蜴這ふ砲火に焦げし洞窟の口
  靖国の靖はわが名敗戦忌

  海光やこぼれて白き花月桃(はなげっとう)

月桃は沖縄などで見られるショウガ科の植物。
こぼれて白き、というコトバのなかに、
戦争で命を落としていった人々への鎮魂を読むのは
深読みでしょうか。     (遅足)




   

    
 
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通り抜け禁止の先も梅の花   遅足

2010年03月03日 | Weblog
船団のえなみしんさドクターの診断です。

こういう風景は、良く見かけると思います。
「ここ」を詠むのではなく「その先」を詠むことで、
ずーっと梅林が続いていることを感じます。
分類していみると「先」とか、「隣」とか、
「向こう」とか、そんな言葉がキーワードになっている句でしょう。

 ありがとうございます。

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百合の芽に気後れしつつ回れ右   朱露

2010年03月03日 | Weblog


 ここへ来て30センチ程に伸びた百合の芽。
 その名もアフリカの港町「カサブランカ」。
 昔観た映画「カサブランカ」のバーグマン。
 横須賀の闇市をうろついていた中学生の頃。

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