575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

釦みな嵌めて東京空襲忌     岩淵喜代子

2010年03月10日 | Weblog
今日3月10日は東京大空襲の日。
約10万人の死者が出た。
作者は、1936生れ、この空襲に合われたかもしれない。

釦といえば、冬のオリンピックでスノーボードの
国母選手の着こなしが問題となったことを思い出します。

いったい何時頃から若者の着こなしが
「ゆるゆる」になったんでしょうね。
シャツの端を外に出して歩くようになったのは
かなり前ですね。
時代の空気が反映しているんでしょうが・・・
戦前生まれには違和感があります。

釦みな嵌めて、に慰霊の気持がこもっていますね。
若者たちもこの時は、キチッとするんでしょう。

  

名古屋大空襲は3月19日でした。  遅足


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沈丁や黒髪に手をさし入れて  中田剛

2010年03月10日 | Weblog
沈丁花が次回の宿題。
こんな句を見つけました。

黒髪、というイメージが強烈ですね。
昼なのか?夜なのか?
一人なのか?二人なのか?
条件によって様々な情景が浮かんできます。

古典的な和歌の世界で読めば、夜。
沈丁花の香のなかの二人。
あるいは一人。髪を掻き揚げようと・・・

もっとクールに現代の景としても読めます。
真昼間の都会。公園のベンチで風に乱れた髪を直そうとする女性。
若いOLというよりキャリア・ウーマンかも。

歌人の永田和宏さんが、科学者であり、歌人でもあるという方ですが、
こんなことを言っています。

「思考認識の過程こそ詩の現場」と。

難しい表現ですが、簡単にいうと俳句には発見が必要、
ということではないでしょうか?

俳句の発見は科学の大発見のようなものではなく、
日常のなかにあるささやかな発見。
子どもが、自然のなかで小さな宝物を見つけるようなもの。

句会は、こうした小さな宝物を出し合って
自慢しあう場かもしれませんね。

                 遅足




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春雨や登校児童音立てず   朱露

2010年03月10日 | Weblog

       昭和16年冬大東亜戦争が始まる。
       この年国民学校一年生の少国民に。
       昭和20年夏無条件降伏して終る。
       黙々と疎開し黙々と飢えて生きた。

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