575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

柏餅一つ残して子等の去る  狗子

2019年06月07日 | Weblog

柏餅。夏の季語です。
カシワの葉で包んだ柏餅は、徳川将軍の時代に江戸で生まれたとのこと。
カシワは新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、
「子孫繁栄(家系が途切れない)」の縁起をかついだものだとか。
戦前まではカシワの葉の柏餅は関東が中心。
関西より西ではカシワの木は少なく、代わりに
サルトリイバラなどの葉が使われていたそうです。
そう言えば京都へ行った時にサルトリイバラの柏餅がありました。

端午の節句に出された柏餅。子供たちが去っていきました。
一つ残っていました。イメージの鮮明な句です。
しかし小さな謎が残りました。

きっと数人の子供たちが食べていたのでしょう。
数が中途半端で上手に分けられなかったのでしょうか?
それとも一人嫌いな子がいたのでしょうか?
大人のために一つ残したのでしょうか?

柏餅をめぐる子供たちの関係、大人との関係をも想像させる句。
ちょっと不思議な句ですね。
なぜ柏餅一つだけ残ったのでしょうか?   遅足
コメント (3)
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