575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梅雨晴れ間の雨句会   麗

2019年06月20日 | Weblog
昨日の句会。兼題は「雨」または「雨のつく漢字」でした。いろんな雨が降り注ぎました。ちなみに俳句の世界では「梅雨入り」を「ついり」と読むことも勉強になりました。
今月から新たに豊橋の紅さんが投句されています。どうぞよろしくお願いいたします。

では恒例の一言講評です。

①害鳥と指さす雛に夏しぐれ

害鳥は烏でしょうか?人間にとっては害鳥でも鳥に罪はありません。ましてや雛には。小さな命に夏しぐれが降ります。

②三千のたすきを繋ぐ走り梅雨

三千のたすきは何だろう?と想像しました。マラソン大会とのことでしたが、作者は三千世界という仏教の意味を込められたそうですが、そこまで読み切れず。

③樹雨さえ 集めて反旗 我が山河

「きさめ」と読みます。故郷岐阜長良川を詠まれたのでしょうか?

④遠雷やカルテの向こう注射針

カルテの向こうに看護師さんの持つ注射針が見えます。不安な一時。窓からの遠雷が尚一層、不安な気持ちを駆り立てます。

⑤天翔ける雷呼ぶ城の鬼瓦

鬼瓦と雷が呼応している迫力ある一句。上田城の実景とのこと。光景が目に浮かびます。

⑥走梅雨頭痛信号発令中

頭痛持ちには辛い季節到来です。ズキズキという頭痛信号なので「発令中」より「点滅中」の方がよかったかも?全て漢字で鬱陶しさを表現したつもりですが意外にスカッとするというコメントも。

⑦ひとり守る廃線跡の梅雨しづく

下五の「梅雨しづく」の状況が読み切れず。

⑧紫陽花は雨にうたれし香りなし

「うたれし」「香りなし」というリズム。ただ「うたれし」だと過去形になってしまうという指摘あり。古文の助動詞の使い方難しいです。

⑨梅雨寒や歯医者の椅子は二十五度

六月は虫歯予防月間です。苦手な歯医者さんの椅子は確かに二十五度くらい頭が上がっています。その発見が新鮮でした。

⑩駅前に折れたビニ傘男梅雨

放送では「男梅雨」「女梅雨」は言わないことになっていますが、俳句の世界では許されるのではないでしょうか?荒々しい雨が上がりました。「ビニ傘」という表現が新鮮。駅で見かける光景です。

⑪食欲のないとふ夫や梅雨菌(つゆきのこ)

夫の体調を心配する奥さんの気持ち。じめじめした梅雨菌がよく合います。

⑫梅雨三日濡れざるもののなかりけり

その通りの俳句なのですが、三日も雨が続けば心情も濡れますね。

⑬古書店の古書の匂ひや梅雨に入る

今や少なくなった古書店。ただでさえほこりっぽい匂いに梅雨時の古書の匂い。

⑭飛び込みし寒過ぎのカフェ走り梅雨

冷房が効きすぎたカフェ。思わぬ雨に打たれたのにこの寒さは辛いですね。

⑮梅雨晴れ間遊具を磨く尻雑巾

「尻雑巾」という作者のユニークな造語。雨が上がり、子供のおしりで拭く滑り台ですね。「梅雨晴れの」としてはどうか?というコメントありました。

⑯保育所の子供並んで梅雨晴れ間

こちらも梅雨の晴れ間にお散歩に出るかわいい保育所の子供たち。車がつっこんで来ませんように祈るばかりです。

いかがでしたでしょうか?
このところ梅雨の晴れ間が続きます。雨の日の句会ならまた取り方も違ったかも知れませんね。

来月のお題は「トマト」です。どんなトマトが味わえるでしょうか?7月17日(水)午後1時20分 愛知県芸文センター12階会議室Dでお待ちしています。麗


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