575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

遠雷やカルテの向こう注射針  千香子

2019年06月26日 | Weblog

夏の季語・雷。夏井いつき先生は、こんな風に解説してみえます。

雷は一年中起こりますが、夏の雷は特に強く、
しばしば落雷して危害をおよぼすので夏の季語とされています。
昔から「地震・雷・火事・親父」なんていいますが、
恐ろしいものの代表格でもあります。
副題も多くあって……副題っていうのは季語を表す別の言葉ですね。
遠くに聞こえる「遠雷」や、晴れ間に走る「日雷」、
他にも「雷鳴」「迅雷」「はたた神」など呼び名は様々です。
雷につきものの「稲妻」は秋の季語なので注意が必要ですね。
稲を実らせる雷が「稲妻」だというわけです。
両者を比較すると「雷」はその音に重きを置いた季語であることが分かりますよね。
(俳句集団「いつき組」の日誌より)


夏のある一日。蒸し暑い日。
病院での診察。カルテのむこうに見える注射器。
その針に視線がいってしまいます。
ちょっとコワイ感じと遠雷。
つきすぎという意見もありそうですね、
たとえば

  ひやしんすカルテの陰の注射針

という取り合わせは?離れすぎですか?

         

ずいぶん前に『遠雷』という映画を観ました。
立松和平の原作の映画化、主演は永島敏行。
東京郊外の農村を舞台にした苦い青春映画だったか。
なぜかタイトルの遠雷が忘れられません。(遅足)

コメント
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