575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

いま鳴くはこの世の他の亀ならむ   遅足

2019年06月11日 | Weblog

この句で作者は亀の鳴く声を聞いている。
が、亀は実際に鳴くことはないとされ、作者もそれを知っている。
ならば今耳にしたのはこの世ではなく、前世或はのちの世の亀だと言っているのだ。
この世にいながらにして別の世の亀を聞く不思議さおかしさ。
また他の世で亀は鳴くのかどうか。
そういったことがまた「亀鳴く」の現実離れしたおかしさに通じる。
二重三重の空想と戯れ。

「栴檀」6月号の選後評です。
辻恵美子先生が採り上げて下さいました。
ありがとうございました。

コメント
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