575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

日の出前辛夷の莟少し揺れ    朱露

2010年12月18日 | Weblog

     年末早朝多米山系上空が朱に染まる。
     庭の辛夷の木の莟がはっきり見える。
     ぐんぐん空が明るくなるのが分かる。
     今や莟たちが揺れているのに気づく。

              


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セーターの愛しい胸に陽を埋め  郁子

2010年12月17日 | Weblog
愛しい人のセーターに胸に顔を埋める、というシーンが
自動的に思い浮かびます。

埋めるのは、顔ではなく陽、冬の光です。

冬の陽がセーターの胸のあたりに集まり、
暖かくなっているのでしょうか?
あるいは、光に托し、自分の思いのことを
言っているのでしょうか?
あるいは・・・

句としては、今ひとつ描ききれていないのですが
とても魅力的な句です。

作者は、太陽の恋と言っていました。

ウーン!参った。   遅足

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金星の肩を叩いて寒の陽が    朱露

2010年12月17日 | Weblog
      
      夜明け前東多米山脈上空が白くなる。
      頭の上には明けの明星が光っている。
      すると一筋の光の矢が金星を射抜く。
      年賀葉書は「初日かな」にして出す。


                
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セーター句会   麗

2010年12月16日 | Weblog
寒波到来。忘年句会となったセーター句会。

意外と難しいおお題でしたがなぜかセーターの
脱ぎ着について話が盛り上がりました。

  セーターに満点の星隠し持つ

この俳句を朱露さんは作者は女性だろうとおっしゃったとか。
実は遅足さんの作でした。
それもセーターを脱ぐ時に見える編み目からの景色を満点の星に詠まれたことに
一同絶賛。
でも、晴代さんの女の人はお化粧がつかないように
スカーフを頭からかぶって脱ぐので何も見えないとの現実的な指摘。
確かに私も堅く目をつぶって襟元をのばしながらお化粧がつかないようにしています。男の人の方がはやりロマンチック。

そのスカーフを頭からかぶった海坊主のような一瞬をうまくとらえた

  浮き上がるごとセーターに顔を出し


晴代さんが2010年をしめくくるトップ賞でした。お見事でした。

来年はどんな俳句に出会えるでしょうか?
安田屋さんがなくなるのは本当にショックですがまたところを変えて続けていきましょう。


 P/S   元カノのセーター母が編み返す  麗

川柳で作ってみました。
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12月句会の最終結果です。      遅足

2010年12月16日 | Weblog
12月句会、木枯しの吹く寒い夜でした。
6人の出席。全員の選句が集まりました。



兼題「セーター」

①セーターの愛しい胸に陽を埋め(郁子)愚足・遅足・麗子・静荷
②老いの身にセーターバチバチゲキとばす(能登)愚足・郁子・晴代
③御下がりのセーター痩せし編み目かな(値遇)晴代・能登・童子・立雄・亜子
④セーターの草の実一日(ヒトヒ)陽ざし垂る(結宇)
⑤坊さまのセーター姿垣間見し(亜子)鳥野・狗子・能登・童子
⑥起き抜けのセーターの首後ろ前(立雄)朱露・郁子・麗子・能登・童子
⑦セーターに満天の星隠し持つ(遅足)値遇・朱露・結宇・亜子
⑧男物セーターベンチにそぼ濡れて(静荷)
⑨セーターで行けない所行かぬ主義(朱露)愚足・遅足・晴代・静荷・亜子
⑩セーターの箱をかかえてイヴの道(麗子)鳥野・狗子・立雄
⑪浮き上がるごとセーターに顔を出し(晴代)値遇・朱露・鳥野・遅足・狗子・結宇・郁子・麗子・静荷
⑫愛用のカシミアセーター虫の穴(狗子)値遇
⑬来年ねセーター伸ばす母の顔(愚足)結宇・立雄

 
自由題
 
①日記買う勝手に決めしあと十年(静荷)愚足
②過ぎし日の文捨てがたく師走かな(立雄)愚足・狗子・亜子
③ビルの壁横切るつもり蔦紅葉(亜子)朱露・遅足・結宇・晴代
④戸口より木枯しの道戸口まで(遅足)値遇・狗子・麗子
⑤隙間風鉛筆の芯折れしまま(値遇)鳥野・結宇
⑥ブナ林のまろき時間や冬支度(郁子)愚足・狗子・能登・静荷
⑦スーツ着た娘がひとりひなたぼこ(能登)鳥野・郁子・麗子
⑧邪鬼の眼のほころびてゆく冬陽かな(結宇)値遇・遅足・晴代・静荷・童子・立雄
⑨潜り門花柊の顔打つ香(晴代)郁子・立雄
⑩冬晴れのリビングで詩を声に出す(麗子)朱露・郁子・晴代・童子
⑪寒月や B S 2 のブラームス(朱露)鳥野・麗子・能登・童子
⑫午(ひる)過ぎてからすぐ冬の大落暉(狗子)値遇・遅足・結宇・静荷・立雄・亜子
⑬悪夢覚め妻の手さがす毛布かな(愚足)朱露・能登・亜子

                

次回は1月19日(水)場所未定。
題詠は「大寒」です。

長年お世話になった安田屋さんが、今年一杯で廃業とのこと。
これを機会に句会を、昼にしようと決まりましたが、
場所はまだ見つかっていません。
お昼をゆっくり食べられるところがあったら教えて下さい。


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寒波来昔元寇蒙古来     朱露

2010年12月16日 | Weblog

    カンパライムカシゲンコウモウコライ。
    13世紀末の蒙古襲来、文永弘安の役。
    二度とも台風で元の船が沈没して終る。
    「蒙古来」という頼山陽の漢詩を唸る。

               

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鬼平に追い回される年の暮れ    朱露

2010年12月15日 | Weblog
          
       文春文庫「鬼平犯科帳(一)」を買った。
       「止まらないカッパエビセン」になった。
       「年の暮れ」で済む程度の話じゃないよ。
       「食卓の情景」なども買ったドーシヨー!

         北は


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蝶のどこに  鳥野

2010年12月14日 | Weblog
12月14日、きょうの中日新聞朝刊に「太平洋1700キロの旅をしたアサギマダラ」の記事が出ていました。
高知県の秋葉山近くで、10月中旬にマーキングした蝶が、台湾の島で発見されたというものです。

以前には、鹿児島県の種子島で放たれたものが、福島県や三重県に到達しています。

最近はまた、尖端の遺伝子研究で、古代のコムラサキの分布が実証されました。ユーラシア大陸からベーリング海峡を、北アメリカ大陸へ渡ったというものです。

あの繊細で、可憐な蝶のどこに、エネルギーが潜んでいるのか。

限られた食草と、僅かな露と蜜を吸って、卵から幼虫、蛹、成虫と完全変態し、宝石と見紛うばかりの美しい姿を見せてくれる蝶。

中には成虫のままで、越冬する固体もあって、俳句の季語の「凍蝶」は儚なく寂しい。

  ・ 場を違え廊下の隅に果てし蝶 その透明に花を置きやる

                        鳥野
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12月句会の最終投句です。   遅足

2010年12月14日 | Weblog
投句が一人分洩れていました。申し訳ありません。
各13句となりました。


兼題「セーター」

①セーターの愛しい胸に陽を埋め
②老いの身にセーターバチバチゲキとばす
③御下がりのセーター痩せし編み目かな
④セーターの草の実一日(ヒトヒ)陽ざし垂る
⑤坊さまのセーター姿垣間見し
⑥起き抜けのセーターの首後ろ前
⑦セーターに満天の星隠し持つ
⑧男物セーターベンチにそぼ濡れて
⑨セーターで行けない所行かぬ主義
⑩セーターの箱をかかえてイヴの道
⑪浮き上がるごとセーターに顔を出し
⑫愛用のカシミアセーター虫の穴
⑬来年ねセーター伸ばす母の顔

 
自由題
 
①日記買う勝手に決めしあと十年
②過ぎし日の文捨てがたく師走かな
③ビルの壁横切るつもり蔦紅葉
④戸口より木枯しの道戸口まで
⑤隙間風鉛筆の芯折れしまま
⑥ブナ林のまろき時間や冬支度
⑦スーツ着た娘がひとりひなたぼこ
⑧邪鬼の眼のほころびてゆく冬陽かな
⑨潜り門花柊の顔打つ香
⑩冬晴れのリビングで詩を声に出す
⑪寒月や B S 2 のブラームス
⑫午(ひる)過ぎてからすぐ冬の大落暉
⑬悪夢覚め妻の手さがす毛布かな

以上です。よろしくお願いします。
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年賀書く浮かばない顔誰もなし   朱露

2010年12月13日 | Weblog

      別に自慢しているわけではない。
      人付き合いの幅が狭いことだな。
      はっきり言えば付き合いが悪い。
      アナウンサーだったってホント?

          のち


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NHK短歌をみていたら    遅足

2010年12月12日 | Weblog
今朝の「NHK短歌」で、荻原先生の歌が紹介されていました。

 街という虚しき○○○踏み鳴らすハンバーガーをほほばりながら

加藤治郎さんが出した虫食い問題です。
○○○になにを入れるのか?と。

ゲストの斉藤芳生さんは、「舞台」と。

この歌は荻原先生の若い頃の歌ですが、
1962年生れの先生にとって、
街は虚しい存在であることに、年代の違いを感じました。
私が若い頃、東京に代表される街は、輝くとともに
なにかを満たしてくれる存在でした。

斉藤さんの一首。

 この街に蒔かれた我は種子として雨を待ちつつ午睡より醒む

アラビア半島のアブダビでの歌です。
これは、また違った街が詠われています。

さて皆さんは虫食いに何を入れますか?
答えはコメント欄に。

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皇帝ダリア                      草女

2010年12月12日 | Weblog
この花を初めての見たのは4,5年前。海上の森へ行く途中の民家の庭で咲いていた。
4mはあろうか思うほどの背丈に直径15cmはある花、花びらはピンクで透き通っているみたい。とても大きいが美しい。その頃はコダチダリアと呼ばれていたが、いまは皇帝ダリアと言われることの方が多く、コダチダリアは別名とされている。

 他を圧倒する迫力が好まれるのか、この3、4年の間に随分広まり見かけることが
多くなった。が、これを記載している図鑑を見つけることができない。広がりの早さ
が分かる。ネットで検索してみると写真や栽培方法は記事になっているが、知りたいこ
とがみつからない。いったい、いつ日本に来たの?

 ダリアは、メキシコの高原で発見されてから、わずか400年の間に4万を超える
品種が作り出され全世界にひろまった。メキシコやグアテマラの高原に自生するわず
か6種がその原種であるという。6種の中のD、インペリアスの記述「茎は非常に高く
て4mにもなり、花は径10㎝、白に淡紫のぼかしがある」(講談社 園芸大百科事
典)これが皇帝ダリアを指しているかなあと思う。その事典は1980年に発行されて
いて、ダリアの品種が色々と記載されているが、皇帝ダリアという種はない。

 ダリアは江戸時代の末期にオランダから伝わり当初は天竺牡丹と呼ばれた。明治の
中期以降色々な品種が伝わり、ハイカラな西洋草花として広く栽培されるようになっ
た。

 皇帝ダリアは、その頃ではなく、ごく最近輸入されたと思うのであるが、今のとこ
ろさっぱり分からない。

 昨年の11月、鹿児島を旅行した。そこでまるで黄色の皇帝ダリアと言ってよい花
をちょくちょく見かけた。草丈も花の様子もそっくりである。しかし、この地方で一
度も見ていない。皇帝ダリアのように突然の伝播を期待している。 
  
         
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蕪村忌や十年長く生きている   朱露

2010年12月12日 | Weblog
     「それがどうした句」とはこのこと。
     「水仙に狐遊ぶや宵月夜」出来るか。
     「鋸の音貧しさよ夜半の冬」どうだ。
     「皿を踏鼠の音の寒さかな」参った。

              



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無音なる百人番所冬に入る  野木桃花

2010年12月11日 | Weblog
野木桃花。1946年生まれ。「あすか」主宰。

  無音なる百人番所冬にいる

この句は、歌枕ならぬ俳枕「江戸から東京へ」五十句の中の一句。
さて、どこを詠んだ句か?

答えは「皇居」だそうです。

その他の句。

  靖国の遺品謎めき冬の雷

これはやさしいですね。
では、以下の句は?

  ①古書街の裏道ぬかる時雨かな 

  ②法華経は良薬なりし残る鴨  

  ③雪しんしん鼠小僧の墓隠す

一番、気に入ったのは、この句。

  ④夏蝶の投込み寺に翅たたむ

答えはコメント欄に。    遅足

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冬田道海辺で育ち山裾へ    朱露

2010年12月11日 | Weblog

   一生の風景を全部言ってしまった。
   横須賀、真鶴、名古屋、豊橋で完。
   山裾の田んぼたあ、お釈迦様でも。
   おっと江戸麻布に居たのを忘れた。

             

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