人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

何か変!

2005年12月12日 | 今日の雑感雑記

maborosi

 ここ十年ほど世界中が何か変。日本では、バブル経済がはじけてから特に変。変なの は、人間社会だけでなく気候も変。動植物の世界も変かも知れない。人々の頭の中も変。 私の頭も変、変になって会社を退職し今ではプータローと言われています。

 頭が変に成りそうになった事、前にも一度有りました。昭和から平成に変わった頃、世は まさにバブル経済の真っ最中でした。それもバブルの権現と言われた不動産関連事業に 従事していました。関西方面のある民間宅地開発事業でしたが、300haの山谷を切り崩し、 総事業費2500億円、2万人の町を一つ作ってしまおうと言う計画でした。その当時は、坪 100万円だいや200万円でも売れる、それ行けドンドンの時代でした。

 その時職場で交わされていた会話に「見積書は未だか!何金額が合わない?幾らだ何 5000万円、そんなのどうでも良い、すぐもってこい」とか「地元と話が付いた、一億一枚と 5000万二枚小切手すぐに持ってきてくれ」などと言う話がポンポン飛び交っていました。

 此処で言う地元とは、隣接地権者のことで、一億円は掴み金です。300haの隣接地権者 は一カ所や二カ所ではないはずですから、はたして幾らバラマイタ事やら。隣接地権者の 方も、ゴネれば幾らでも金が湧いてくるから、その浅ましいことと言ったら。

 事業の流れは、銀行⇒影の施主⇒ブローカー⇒表の施主⇒元請けゼネコン⇒下請け 下請け段階で適正な事業費積算(とは言っても今と比べればアコギな)をし、後は上乗せ上 乗せで総事業費を決めていたみたいです。後日聞いた話では、融資した銀行はつぶれ、 経営者は背任で逮捕されたそうです。影の施主とは、事業が軌道に乗った時点で名乗りを 上げる大手不動産会社、ブローカーはほとんどヤクザ。

 こんな環境に長く居れば、頭が変に成りそうだったので転勤願いを出して北海道へ来まし た。でも周りの人達は、大して変とは思っていなかった様でした。その後事業がどうなった かは聞いていないが、恐らく大部分はペンペン草が生えているんじゃないですか。

 今の時代は全く逆です。銀行融資の時点で絞りに絞った事業費を積算し、後はピンハネ ピンハネで下請け孫請けへ降りてきます。会社は赤字赤字の連続で、去るも地獄残るも地 獄頭が変に成りそう、ならばいっそうのこと退職して仙人暮らしと決心しました。

 幻日は写真には写っていませんが真上と左側にもあります。バブル期の日本人は、幻の 方の太陽を見ていた様ですが、今でも真ん中の本物を見ているとは思えません。