人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

琉球石灰岩の下

2005年12月22日 | 今日の雑感雑記

ryuukyuusekkaigan

 学生時代から撮り溜めた写真、35mmと645が一万枚以上有り、デジタル化・分類整理す る作業を進めています。安いフイルムスキャナーを買ってしまったので、時間がかかってい つ終わるか予想もつきません。まあ、どうせ暇だからいいんですが。片っ端からスキャナー へ放り込んで、機械的に処理しているのですが、何時何処で撮った写真か全く思い出せな い物も有ります。またディスプレーに映し出された映像を見て、昔を懐かしんで居ることも有 り、さらに作業が進みません。

 その中で私なりに面白い(興味のない人はゴメンナサイ)と思ったものを、幾つか紹介しま す。この写真は、与那国島の高台(テンダバナ?)で撮った物ですが、上のオーバーハング 部分が更新世の琉球石灰岩です。下のえぐれた部分が新第三紀中新世八重山層群の砂  岩です。すなわちこれは、珊瑚礁を下から見ている事になります。珊瑚礁と基盤岩の境目 (地質用語で不整合面と言います)は、実によく密着しています。長年地質屋をやって来ま したが、生物起源の不整合面を見たのはこの時が初めてです。

 与那国島の遺跡からは緑色片岩の石器が出土するそうです。最も近い緑色片岩の分布 地は西表島です。当時から丸木船で交流が有ったのですね。祖納の民俗資料館、とは言 っても81才(当時)になるおばーさんが一人で収集した民具を展示してあるだけだが、話を 聞いたら戦前までは台湾との交易でそれなりに活気が有ったが、戦後は全く職が無くなっ た、とのこと。さらに子供の頃は、絶海の孤島で悲惨な生活を強いられ、こんな所で自分を 生んだ親を恨んだ、などと話をしてくれました。