飯田橋の路地にある「香港 贊記茶餐廳 」。13時半ごろ入店したらテーブルは満席でセンターにあるカウンター席に案内された。
メニューの中に目指してきた「星州炒米粉」とはっきり書いた文字列があった。
来た皿はカレーの香りが立ち上がって量もたっぷりあった。
一口 口にしたとたん ああ あの味だと思った。旨かった。
客は次々入ってくる。隣に座った女性客二人はオーダーは日本語だったが 二人の会話は広東語だった。
店内で聞こえる会話は40%が日本語で60%は中国語の感じだった。
あいかたは 海老ワンタンと
分けてもらった このワンタンの旨さには心底驚いた。こんなワンタンは神戸の中華料理店でも横浜の中華の店でも体験したことがない美味しさだった。
中華ちまきもオーダー
これまた 現地の味だった。
香港にかって住んでいた日本人や 在日香港人が通う店とネットにあったが こんな店が飯田橋にあると知って嬉しくなった。
「香港 贊記茶餐廳 」は(ホンコン チャンキ チャチャンテン) と読むそうだ(笑)
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(阿智胡地亭の非日乗 2005年07月02日(土)掲載)
「星州炒米粉」との最初の出会いはシンガポールでした。
昭和50年代の中ごろインドネシアによく出張で行っていましたが、その行き帰りには今のチャンギー新空港の前の旧シンガポール空港を利用しました。
どこの空港でも、乗換え時間があると時間一杯まで必ず隈なくその空港見学をしたもんですが、あるときシンガポール空港で喉が渇き、
隅っこにある前から目をつけていた小さなレストランに入りました。
そこのメニューを見ると「星州炒米粉」と言うメニューがありました。シンガポール市内では見たことがない料理でした。
元々ビーフンは台湾から生まれたもので、台湾でビーフンの美味さを知ってからメニューにビーフンがあれば必ずオーダーするようになっていました。
迷わずビールのサン・ミゲルの小瓶と「星州炒米粉」を頼みました。何が星州かわからなかったのですが、黄色い色のカレー味のビーフンが出てきました。
ビーフンにカレー風味がマッチして初めての味でしたがうまかったです。
それからはこの空港でトランジットの時も店に直行してサン・ミゲルと「星州炒米粉」を楽しみました。
シンガポールにはイギリスの植民地時代にイギリス人が統治のための使用人として連れてきたインド人の子孫が今、シンガポール人として多く住んでいます。
そしてシンガポールの中国人も中国の福建省から出稼ぎでイギリス統治の当時のマレーシアへ苦力(クーリー・労働者)として出て来た中国人の子孫が多いのです。
福建省は台湾の原住民、高砂族以外の殆どの現在の台湾人(本省人)の出身地でもあります。台湾の米粉とインド人のカレー粉がシンガポールで合体してシンガポールビーフンが出来たのでしょう。
「星州」とはシンガポールの漢字表記でした。