寒いのでワインでも飲もうと、もらってきた塩尻市にある(株)林農園の五一ワインを開けるところです。長野県では原産地呼称管理制度というのがあり、この会社の銘柄にも認定されているものがあります。ワインとジャズはなかなか結びつきませんが、赤ワインなので「Red Roses For a Blue Lady」という曲が頭に浮かびその曲が入ったアルバムを聴くことにしました。
WOODY HERMAN (ウディ・ハーマン)
WOODY'S WINNERS (CBSSONY 1965年録音)
ウディ・ハーマンのキャリアは長く、古くはフリップ・フリップス(TS)の入ったファースト・ハードから若いメンバーを集めた比較的新しいものまでたくさんあります。この作品は、メンバーが粒ぞろいで、ライブ録音の楽しさもあって手元にずっと置いてあります。
「Red Roses For a Blue Lady」(ブルー・レディーに紅いバラ)は1948年にSid TepperとRoy Brodskyが共作した曲で、65年にベルト・ケンプフェルト楽団でリバイヴァルヒットし、ウェイン・ニュートンやヴィック・ダナが歌っています。出だしからたいへん優雅なメロディーを持つ曲です。ポピュラーではいいものの、ジャズ化はやり辛いのか多くのヴァージョンはありません。
テナー重視の楽団だけあって、ここでもテナーが3本入りのサックス・セクションが美しいハーモニーでメロディを奏していきます。この部分だけ聴いてもうっとりしてしまいます。続いてウディのソロになります。この曲の編曲はD・ゴイコヴィッチです。その他「Northwest Passage」や「Opud de Funk」で快演が聴けます。
メンバーには、ドン・レイダー、ビル・チェイス、ダスコ・ゴイコヴィッチ(TP)、サル・ネスティコ(TS)、ナット・ピアース(P)がいて、特にトランペットセクションは火がつくのではないかと思うくらい強力です。「Opus de Funk」のベイシーライクなナット・ピアースのピアノソロは愉快です。サックス、トランペットとソロが続き、テーマのBlue Flameで幕を閉じます。
ビッグ・バンドというと、うるさいといって敬遠する方もいますが、ハーモニーの面白さやソロとアンサンブルのやりとりなどコンボでは味わえないところがあって、たまに聞いています。