安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

Beverly kenney 「Lonely and Blue」、「Snuggled On Your Shoulder」

2007-11-17 16:47:41 | ヴォーカル(A~D)

エアコンでは間に合わずストーブがほしい時期になりました。夕方、近所のスーパー銭湯にいってきました。大きな湯船と温泉成分も入れたお湯のおかげでちょっとは温まります。上がったあと併設の休憩室で、バニラ・ソフトクリームを食べてきました。体が温かいうちに帰宅し、さわやかでソフトな甘さの声のBeverly Kenneyをききました。

Beverly Kenney (ビヴァリー・ケニー)
Lonely and Blue  (Cellar Door 1952年録音)

Lonelyandblue_2

SSJ(シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン)からのリリースで、トランスクリプションとして残っていたものだそうですが、日本で発売できること自体が奇跡と思われます。昨年の下記CD(二人でお茶を)の発売にも驚きましたが、三具保夫さん(SSJ会長)に感謝です。

ここでは20歳ころのビヴァリーの歌声が楽しめます。ういういしい歌を披露しています。バックはエディ・サフランスキー(編曲・ベース)やアル・クリンク(テナー・サックス)ら腕達者からなる大きい編成のバンドです。曲は私には初めてのものばかりです。

「Lonely and Blue」は題名とは反対に軽やかにスイングする明るい曲です。歌詞は、「いつか、私を愛しているよというあなたの甘い声をきいて、ブルーではなくなるのよ」という希望を歌っています。間奏もバンドが一体化し、スイング感であふれていています。「オン・ザ・サニー・サイド・ストリート」を思い浮かべました。

「It's a Mean Old World」は少しセントルイス・ブルースに似た曲想でビヴァリーには珍しくブルージーなものです。「Yours Sincerely」はハート=ロジャースのものとは同名異曲ですが、思いが伝わるようないい歌唱だと思います。

Beverly Kenney (ビヴァリー・ケニー)
Snuggled On Your Shoulder (Cellar Door 1954年録音)

Snuggledonyourshoulder 

こちらは、トニー・タンブレラのピアノ伴奏だけで歌ったデモテープがアルバムの元です。自分の部屋できいていると、目の前で歌っているような親しみが感じられます。収録曲には、後に録音することとなるスタンダード曲が多く入っています。

「The Things We Did Last Summer」、「Snuggled On Your Shoulder」そして「That's All」が特に印象に残ります。ゆっくりと歌った「That's All」は声がよく伸びています。ボーナスとして入っている「Gay Chicks」はタップダンスのレッスン用だということですが、生真面目な歌が微笑ましい。

28歳という若さで自殺して亡くなってしまいましたので、作品が少ないだけに新しいCDが2枚も発売されるのはうれしいことです。多分これでほとんど全ての音源を集められたと思います。