日曜日の夜の楽しみはNHK教育テレビのN響アワーです。作曲家の池辺晋一郎さんの解説も面白く、さまざまな曲が演奏されるので、ほぼ毎週欠かさず見ています。本日の曲はリヒャルト・シュトラウス「四つの最後の歌」ほかです。有名曲ですが、華麗なR・シュトラウス作品にあって若干渋いという気がします。ジャズ鑑賞のほうも、TINA BROOKSでやや渋めにいってみます。
TINA BROOKS (ティナ・ブルックス)
MINOR MOOVE (BLUE NOTE 1958年録音)
ブルーノート本家ではお蔵入りしていた作品です。キングの世界初登場シリーズとしてリリースされたものですが、私の持っているのは東芝から非売品として出されたLPです。ジャケットもキング盤のものを使用しています。Tina Brooksの初リーダー作にあたりますが、どうして録音当時発表されなかったか不思議なくらい充実した作品です。
メンバーが素晴らしい。ブルックス(テナー・サックス)、リー・モーガン(トランペット)、ソニー・クラーク(ピアノ)、ダグ・ワトキンス(ベース)、アート・ブレイキー(ドラムス)というハードバップ黄金期の最強メンバーです。
ブルックスはゴリゴリというよりも、次々にメロディを続けていく方で、それぞれの曲で長いソロをとっています。ジェローム・カーンの名作「The Way You Look Tonight」におけるブルックスのテナーソロ、そしてモーガンとブレイキーのかけあいは聴きものです。「Minor Move」は自作で、作曲のセンスもあったと思います。「Everythings Happens to Me」はスローで彼のブルーでスムーズな音の良さがわかります。
猫ジャケなので、好きな人はぜひLPを入手してください。キングレーベルのブルーノート世界初登場シリーズは、ジャケットにも意匠が凝らされた素晴らしものでした。