安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

チェット・ベイカー SHE WAS TOO GOOD TO ME

2015-01-01 13:27:04 | トランペット・トロンボーン

皆さん、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。新年最初に聴いたのは、チェット・ベイカーのアルバムです。昨年12月下旬に小諸市にある喫茶店「だんとコーヒー」を訪れましたが、その際、このCDに収録された「枯葉」を大きな音で聴かせてもらって、それがいい響きをしていました。その際の訪問記事は別にまとめますが、そのようなきっかけで、本CDを昨年末から何度かCDプレイヤーに乗せています。

CHET BAKER (チェット・ベイカー)
SHE WAS TOO GOOD TO ME (CTI 1974年録音)

   

チェット・ベイカーは、1960年代をドラッグのために棒にふって、ようやく復活したのが1973年で、75年以降はヨーロッパで活動するので、これは貴重なアメリカ録音です。彼のトランペットの演奏と歌がおさめられていますが、好調で明るめな感じがします。CTIなので、バックにストリングスを流すなどの設定もありますが、ドン・セべスキーの編曲もいい方に働き、全体として完成度の高いアルバムになっていると思います。

メンバーは、チェット・ベイカー(tp, vo)、ポール・デズモンド(as)、ボブ・ジェームス(elp)、ロン・カーター(b)、スティーブ・ガッド(ds)、ジャック・デジョネット(ds)、ドン・セべスキー(編曲、指揮)、ヒューバート・ローズ(fl)など。スティーブ・ガッドが4ビートの演奏をしていることが話題にもなりました。手数はかなり多いです。ボブ・ジェームスは、エレクトリック・ピアノを弾いていますが、ベイカーのソフトな音色に似合っていて、悪くありません。

曲目は、1曲を除きスタンダードです。「Autumn Leaves」(枯葉)、「She Was Too Good to Me」、「Tangerine」、「With A Song In My Heart」(我が心に歌えば)、「What'll I Do」、「It's You Or No One」に、ハンク・モブレイ作「Funk in Deep Freeze」。どういう経緯かわかりませんが、モブレイの曲を取り上げたのは面白い。ベイカーが歌っているのは、「She Was Too Good To Me」、「With A Song in My Heart」、「What'll I Do」の3曲です。

ベイカー(tp)、デズモンド(as)、ボブ・ジェームス(p)ともに甘めで優美にプレイしています。歌や全体のサウンドを含めてムーディーといってもよく、寛ぎタイムにピッタリな音楽です。中でも、ベイカーの今後の重要なレパートリーになる「Autumn Leaves(枯葉)」の淡々としたトランペット・プレイが美しく、デズモンドのソロは甘美な中に迫力を感じます。歌の方は、3曲とも魅力的ですが、バラードのタイトル曲「She Was Too Good To Me」は、ベイカーが歌うと、説得力が出てきます。他にも、ミディアムテンポでスイングしている「Tangerine」が快調。