「ジャージー・ボーイズ」を、長野相生座・ロキシーでお正月休みに見てきました。2時間以上の上映時間にもかかわらず、最初から最後まで惹きつけて離さない映画でした。アメリカのコーラス・グループ「ザ・フォー・シーズンズ(The Four Seaseons)」を描いたものですが、グループの誕生、マフィアとの係わり、ヒット曲連発による成功、メンバー間の確執、家族の対立、娘の死など、名曲の中にドラマが挟み込まれていて、飽きる間がありませんでした。
「The Four Seasons」は、ハイ・トーンのファルセットボイスのフランキー・ヴァリを中心としたコーラスグループで、作曲担当のボブ・ゴーディオが書いた「Sherry」や「Rag Doll」などのヒットを1960年代に連発しました。70年代中期にはフランキー・ヴァリ名義のヒットもあります。ドラマばかりでなく、彼らのステージ・シーンにもくぎ付けになりました。
フランキー・ヴァリ(役者は、舞台でもこの役を演じたジョン・ロイド・ヤング)が、「君の瞳に恋している」(Can't Take My Eyes Off You」を、ステージで歌うシーンには、目頭が熱くなりました。はじめ、グループのバックだけで歌っていたのですが、間奏の部分でいきなり幕が上がり、ビッグバンドが現われて、リフが流れてくるところは鳥肌が立ちました。ヴァリの憧れのフランク・シナトラを意識したシーンになっているのではないかと想像しました。
「君の瞳に恋している」の歌詞については、恋人のことを書いたものと思っていたのですが、ドラッグで亡くなってしまったフランキー・ヴァリの娘のことを、意識した詞であり、ヴァリの歌であったようなので、そのことを克服して、ヒットにもっていったところにも感銘を受けました。
クリント・イーストウッド監督
成功と挫折の場面もべたつかずにサラッと描写をしていて、場面転換が早く、これはクリント・イーストウッド監督の巧みな演出によるものでしょう。ちょっと違和感があったのは、登場人物が自分自身の物語を、カメラに向かって語っていた点です。物語にスピード感が出る反面、シーンの途中でいきなり正面を振り向くのもどうかと思いましたが、慣れれば問題ないかもしれません。
出演者全員によるグランド・フィナーレのシーンも素晴らしく、ミュージカルを元とした映画には、つまらないものもありますが、これは面白かった。帰りに、ザ・フォー・シーズンズのCDを買っている人がいて、この映画が彼らの音楽が聴かれるきっかけにもなっているのを実感しました。僕はパンフレットを買い求めました。
【The Four Seasonsの日本盤EPなど】
4枚しか持っていませんが、日本盤EPのジャケットを掲載してみます。映画に、ガール・グループの「ジ・エンジェルズ」も登場するので、おまけでそれも。なお、「Can't Take My Eyes Off You」(君の瞳に恋している)は、日本では、ボーイズ・タウン・ギャングによるディスコ・ヴァージョンがよく知られています。
The Angelsのヒット曲「My Boyfriends's Back」が入っています。ジャケットは、The Angelsです。