安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

キャスパー・ヴィヨーム FOOTPRINTS

2015-01-14 21:19:29 | ピアノ・トリオ

動物がレコードやCDのジャケットに登場することは珍しくありません。しかし、ジャズ批評誌の2015年1月号が猫ジャケ、犬ジャケの特集を組んだのには驚きました。ペットを飼っている人が非常に多いということでしょう。パラパラと中を見たところ、知らないものばかりでしたが、次のアルバムは登場していませんでした。

KASPER VILLAUME (キャスパー・ヴィヨーム)
FOOTPRINTS (Marshmallow 2006年録音)

   

キャスパー・ヴィヨームは、1974年生まれのデンマークのピアニストです。日本で知られるようになったのは、クリス・ポッター(ts)を迎えてニューヨークで制作されたアルバム「HANDS」(stunt)の好評によるところが大きいようです。日本のマシュマロ・レーベルにより録音されたものに、「ESTATE」(2002年録音)や、この「Footprints」があり、ボブ・ロックウェルと共に来日していることも知名度向上に寄与しています。

メンバーは、キャスパー・ヴィヨーム(p)、イェスパー・ボディルセン(b)、ラスムス・キルべり(ds)。ボディルセンは、深くて豊かなトーンをもち、ランニングの切れのよさは目を見張るものがあります。地鳴りのするベースといってもよく、ここでは、録音のよいこともあって、そのへんがよく聴きとれます。このアルバムを夜10時頃かけたら、奥様から苦情がきましたが、ピアノ、ドラムスもさることながら、ボディルセンのベース音が響いたようです。

曲は、ジャズ・オリジナルとスタンダードです。コルトレーン作「Mr. PC」、ジミー・フォレスト作「Night Train」、オーレ・アドルフソン作「Trubbel」、デューク・ピアソン作「Is That So」、オスカー・ピーターソン作「Place St. Henry」、ウェイン・ショーター作「Footprints」、あとはスタンダードで、「Nice Work If You Can Get It」(うまくやれたら)、「Theme From MASH」(マッシュのテーマ)、「All Of You」、「You Don't Know What Love Is」(あなたは恋を知らい)、「The Folks Who Live On The Hill」(丘に住む人々)の全11曲。 丘に住む人々のみ、ヴィヨームのソロによる演奏です。

躍動感に富んだピアノ・トリオの醍醐味を味わえる好アルバム。ヴィヨームの闊達なピアノ、ボディルセンの重量級ベース、軽快なキルべりのドラムスが一体となり、よくスイングしています。「Mr.PC」は、爽快ですし、「Night Train」は、オスカー・ピーターソンを髣髴とさせるグルーヴィーな演奏。ビル・エヴァンスに迫るようなソロが聴ける「Theme From MASH」や、ソロで演じた「The Folks Who Live On The Hill」も印象的。僕は、この「The Folks Who ~」(丘に住む人々)という歌が大好きですが、ヴィヨームはよいものを残してくれました。

【キャスパー・ヴィヨームのホームページ】

Kasper Villaume 

【ジャズ批評 2015年1月号】

   

ヴォーカル盤を4枚並べた表紙です。上左:ジェニー・スミス「Jennie」、上右:ペギー・リー「Spice」、下左:Diane Maxwell「Almost Seventeen」、下右:キャシー・カー「Shy」。ジェニー・スミスとキャシー・カーのLPはもっていますが、これらとペギー・リーのものは比較的手に入れやすい。Diane Maxwellのものは、非常に珍しいようです。

僕の持っている「Jennie」のジャケットを大きめに掲載してみます。蛍光灯の下で撮っているので、色合いが異なるかもしれません。