安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スコット・ハミルトン "SCOTT HAMILTON IS A GOOD WIND WHO IS BLOWING US NO ILL"

2015-02-22 08:57:22 | テナー・サックス

旧甲州街道の山梨県北杜市白州の台ヶ原宿の一画に位置する、ジャズ喫茶「Autumn」に行ったので、宿場の面影を留めている建物を見てきました。寛永3年(1750年)創業の酒造会社、七賢(山梨銘醸株式会社)の本社は長い歴史を感じさせますし、信玄餅など製造販売の金精軒の旅籠を改装した店舗も風情があります。金精軒で、生信玄餅を買ってお土産にしました。デビュー当時、旧いスタイルで話題を呼んだミュージシャン。

SCOTT HAMILTON (スコット・ハミルトン)
"SCOTT HAMILTON IS A GOOD WIND WHO IS BLOWING US NO ILL" (CONCORD 1977年録音)

   

日本盤CDでは、「ファースト」と題されているスコット・ハミルトンのコンコード・レーベルにおける第1作で、おなじみの作品です。1970年代後半に、スイングスタイルでデビューしたので驚かれましたが、フュージョンの時代に歓迎されたのも事実です。当時、松本市にズート・シムズの日本公演の追っかけをやっていた先輩がいたのですが、ハミルトンも気に入って、彼のレコードは全て購入していたのを覚えています。

メンバーは、スコット・ハミルトン(ts)、ビル・ベリー(tp)、ナット・ピアース(p)、モンティ・バドウィック(b)、ジェイク・ハナ(ds)。ハミルトンは録音時、まだ22歳でした。ビル・ベリーは、60年代のデューク・エリントン楽団や、71年に自ら組織した「The L.A. Big Band」などビッグ・バンドでの活躍が目立つベテラン・プレイヤーです。

曲は、スタンダードが主です。「That's All」、「Indiana」、「Exactly Like You」、「Ill Wind」、「Broadway」、「Blue Room」、「Sometimes I'm Happy」、そして、コールマン・ホーキンス作「Stuffy」の全8曲。ハミルトンは、ホーキンス~ベン・ウェブスター系という感じが強いのですが、「Broadway」、「Sometimes I'm Happy」というレスター・ヤングの得意曲を選んでいて、フレーズにもレスターやズート・シムズの影響が多少表れているように思います。

スコット・ハミルトン(ts)による楽しいスイングセッションですが、バラードなど堂々として風格もあります。彼がワン・ホーンでプレイした、バラードの「That's All」は、ベン・ウェブスターの影響を感じさせるものですが、情緒が溢れていますし、「Indiana」や「Stuffy」は、ぐいぐいときて豪快。「Sometimes I'm Happy」では、ベリー(tp)、ピアース(p)、バドウィック(b)のソロも入り、全員による軽快な快演が聴けます。

【台ヶ原宿】

所在地:山梨県北杜市白州町台ヶ原
問合せ先: 北杜市役所観光課  0551-42-1351

   

金精軒前あたりから北を撮ったもの。道幅は、多分当時のまま家屋が連なっています。

   

七賢の商標を用いている、山梨銘醸株式会社。

   

菓子店の金精軒。

      

お土産に購入した5個入り生信玄餅。