安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

フィル・マーコウィッツ SNO' PEAS 

2015-02-25 21:52:12 | ピアノ・トリオ

話題の時代劇「るろうに剣心 京都大火編」のDVDを借りてきました。時代設定が明治初めであるところが新鮮であるとともに、立ち回りのアクションが激しく派手なところも従来のものとは大いに異なっていました。物語は、明治政府転覆を狙う反政府派崩れと人切り抜刀斎と言われた剣士との対決です。主演の佐藤健と武井咲が初々しくてよかった。瑞々しいアルバム。

PHIL MARKOWITZ (フィル・マーコウィッツ)
SNO' PEAS (KEN MUSIC 1980年録音)

   

フィル・マーコウィッツは、チェット・ベイカーの伴奏をしたピアニストとして知られていますが、その他に話題に上るのは、このアルバムのタイトル曲でもある「Sno' Peas」が、ビル・エヴァンス(p)に気に入られて、アルバム「Affinity」で取り上げられたことです。「Sno' Peas」は、物悲しい中に鮮烈なイメージがあって、近年の名曲の一つに数えられるのではないでしょうか。

メンバーは、フィル・マーコウィッツ(p)、エディ・ゴメス(b)、アル・フォスター(ds)。ベースが、ビル・エヴァンスと長く演奏したエディ・ゴメスというのも話題になると思います。僕は、彼の神経質そうなソロ・フレーズと音色を好んでいませんが、このアルバムではそのあたりがちょっと抑えられています。エヴァンスとやっていないせいかもしれません。ゴメスは、「Yesterdays」でフューチャーされます。

曲目は、マーコウィッツの自作が、「Sno' Peas」、「Sweet Sisters」、Circular Motion」、「Tristesse」、「Hope」、「Toko Blues」の6曲。ウェイン・ショーター作「Infant Eyes」、そしてスタンダードの「Yesterdays」で全8曲。「Toko Blues」のTokoは、日野元彦のことで、彼のために書かれた曲です。

マーコウィッツ(p)は、両手をふるに使い、ドライブの効いた新鮮な響きの演奏をしています。自作が多いですが、メロディが美しい曲が多く、聴いていて飽きません。ベースにエディ・ゴメスを起用したのもよくて、「Infant Eyes」や「Yesterdays」では、ピアノとベースの絡み合いやソロも素晴らしい。標題曲の「Sno' Peas」や、ブルースの「Toko Blues」も、ビートにのったマーコウィッツの変奏の切れがよく、アル・フォスター(ds)の小技も冴え、スリルがあります。 

【るろうに剣心】

      

ロケは全国各地で行われたようです。長野県上田市の矢田沢川周辺でも、この映画のロケが行われました。