安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

渡辺貞夫 I'M OLD FASHIONED

2015-03-15 09:28:02 | アルト・サックス

北陸新幹線長野~金沢間が昨日開業しました。長野駅に隣接する商業ビルの「MIDORI」も増床オープンしたので、行ってみたのですが、和菓子店の「いとうや」(本店:長野県飯田市)が出店しているのを見つけました。 2年間飯田市に単身赴任していた際に、同店の「きんつば」をはじめとした和菓子をお土産などに使っていました。長野市で手に入るのは嬉しく、さっそく買い求めました。日本人ミュージシャンの作品です。

渡辺貞夫 (SADAO WATANABE)
I'M OLD FASHIONED (EAST WIND 1976年録音) 

   

その昔、長野県松本市民会館で渡辺貞夫グループのライブを聴いたことがあります。フュージョンをやっていた頃で、そういった類の演奏が多く、元気も感じられない残念な公演でした。曲の傾向が僕の好みにあっていなかったこともあり、そのような印象を強くしたのでしょう。リズムにグレイト・ジャズ・トリオを迎えたこのアルバムでは、その時とは別人のような演奏を聴くことができます。

メンバーは、渡辺貞夫(as, fl)、ハンク・ジョーンズ(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。リズム陣の「The Great Jazz Trio」は、まだ、トリオとしての録音は行われておらず、このアルバムが彼らの初めての録音です。トニー・ウィリアムスは、マイルス・グループで名を挙げたのですが、ここでも奔放で、シンバルの連打などスリルのある演奏をしていて、ドラムスに焦点をあてて聴いても面白いです。

曲は、スタンダード、有名ジャズオリジナルと渡辺貞夫の自作品です。チャーリー・パーカー作「Confirmation」、ビリー・ストレイホーンの「3:10 Blues」と「Chelsea Bridge」、スタンダードの「I Concentrate On You」、「I'm Old Fashioned」、渡辺貞夫作の「Gary」、「Episode」、「One For From The T.V.Theme "Juhyou"」の全8曲。ゲイリー・マクファーランドを偲んで作曲された渡辺作「Gary」は、マル・ウォルドロンの「Left Alone」を想わせる曲想で印象に残ります。

渡辺貞夫はもちろん、リズム陣の3人がバップに回帰したアルバム。1曲目の「Confirmation」から、アップテンポで胸のすくような演奏が楽しめます。テンポの遅い「Gary」や「Chelsea Bridge」では、渡辺貞夫(as)が抒情的な吹奏を行い、ハンク・ジョーンズ(p)も美しいタッチでソロをとります。「I'm Old Fashioned」におけるソロやバッキングをはじめ各曲における、トニー・ウィリアムス(ds)のプレイは痛快といってよく、主役の座を奪ってしまったような気さえします。 

【長野駅と商業ビルMIDORI内「いとうや」】

   

手前の横断歩道橋(ペデストリアン・デッキ)から撮りました。

   

駅中央コンコース

   

MIDORI内のお土産ストリートに出店した「いとうや」

MIDORIお店案内「いとうや」

いとうや(本店)ホームページ