安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ボブ・バーグ ANOTHER STANDARD

2015-03-29 10:05:19 | テナー・サックス

上田市に買い物に行ったついでに、池波正太郎真田太平記館をはじめて訪れました。「真田太平記」は、戦国時代から江戸時代にかけて上田の地をおさめていた真田氏を描いた長編歴史小説です。その取材のため、池波正太郎は、たびたび上田を訪れていて、その縁から、ご遺族の許可を得てこの館が設立されたそうです。館内は撮影禁止でしたが、自筆原稿などを興味深く見てきました。ジャケット写真が野武士のような風貌に見えます。

BOB BERG (ボブ・バーグ)
ANOTHER STARNDARD (Strech 1997年録音)

   

ボブ・バーグ(ts)は、2002年に51歳という若さで亡くなってしまいました。マイルス・デイヴィス・グループへの参加や、フュージョングループでの演奏で日本でも知られています。これからの円熟が期待されていた時期の交通事故死でした。スタンダードナンバーを録音したこのアルバムは、それまでの路線とは異なるもので、この先、こういった演奏も期待されただけに残念でした。

メンバーは、ボブ・バーグ(ts, ss)、デヴィッド・キコスキー(P)、エド・ハワード(b)、ゲイリー・ノヴァク(ds)。2曲にランディ・ブレッカー(tp)、1曲にマイク・スターン(g)が参加しています。キコスキー(p)は、クリスクロス・レーベルなどにリーダー作がありますが、ここでは、バーグに対応してスピード感のあるテクニックを駆使したプレイを行っています。

曲目は、1曲を除きタイトルどおりスタンダードです。「You and The Night and The Music」(あなたと夜と音楽と)、「Summer Winds」、ビートルズの「Michelle」(ミッシェル)、「Just In Time」、「My Man's Gone Now」、「All The Way」、ボブ・バーグ自作の「No Trouble」、「It Was A Very Good Year」、「I Could Write a Book」の全9曲。ビートルズの「Michelle」をボブ・バーグが取り上げるとは思いませんでした。

スタンダードが多いですが、新たな編曲が施されていて、新しい曲のようにも聴こえます。バーグ(ts)の熱演が続き、キコスキー(p)も負けじとスピード感のあるプレイをしています。少しおどろおどろしい前奏で始まる「You and The Night and The Music」や不協和音のピアノが面白い「Just In Time」など工夫されています。「Michelle」、「All The Way」とバラードも出来がよくて、ことに前者の物悲しく美しいメロディーを強調した演奏は、記憶に残ります。

【池波正太郎真田太平記館】

住所:長野県上田市中央3丁目7番3号
電話:0268-28-7100 
ホームページ:真田太平記館(上田市ホームページ) 

   

外観です。上田駅から歩いて数分くらいでしょうか。

   

入口

   

池波正太郎著「真田太平記」の文庫本

   

2016年1月より放映予定のNHK大河ドラマ「真田丸」の決定を記念して幟が市内に建てられていました。