先週から、新しく購入したDENONのアンプPMA-2000REを使用してジャズやヴォーカルを聴いています。せっかくアンプを新しくしたので、録音が明晰で、楽器の特徴をよくとらえているCDを取り出して聴いてみました。マシュマロレーベルのこのアルバムは、演奏も気品があってよいのですが、原音に忠実に録っていると思われる録音も特筆すべきものです。
JAN LUNDGREN (ヤン・ラングレン)
PERFIDIA (Marshmallow 2002年録音)
スウェーデン出身のピアニスト、ヤン・ラングレンは、多くのアルバムを作っています。何作か持っていますが、いずれも音色が優しく、フレーズにも抒情性があって、全体に上品です。このアルバムは、録音がよく、そんなピアノの音もとらえられています。また、知られざる佳曲が収録されているのも特徴です。
メンバーは、ヤン・ラングレン(p)、イエスパー・ルンゴー(b)、アレックス・リール(ds)。ベースとドラムスが強力で、リズムもかなり聴きどころが多そうです。ラングレンが選んだ曲に、「Med Ogon Kansliga For Gront」(「若葉のささやき」)というスウェーデンの曲があり、美しさが際立つロマンティックなメロディーを持っています。「Don't Cha Go 'Way Mad」も、ラングレンが探してきたもので、グルーヴィー。以上の2曲が収録されたことは、アルバムの価値を高めています。
他はスタンダードで、「Russian Lullaby」(ロシアの子守唄)、「Perfidia」、ハリー・ウォーレン作「Carnival」、「Dat Dare」、「Alfie」、「Jordu」、「More Than You Know」、「Star Eyes」、「Long Ago and Far Away」。タイトルからすると、ラテン曲集と勘違いしそうですが、実際にはバラエティーに富んでいます。
多くのハードバップのファンに気に入ってもらえそうなアルバム。「若葉のささやき」と「Don't Cha Go 'Way Mad」の2曲は必聴。ラングレン(p)は、どの曲もさりげなく弾いているように聴こえますが、たっぷりと歌うところやバピッシュなところもあり全く飽きません。ルンゴー(b)は「Russian Lullaby」などでタイトなソロをとり、リール(ds)もラテンものなどメリハリの効いたリズムを作り出して、貢献しています。
【マシュマロレコード】
ホームページ: http://www.marshmallow-records.com/
横浜中華街のジャズ喫茶「マシュマロ」も好評を博していて、ことに月2回開かれるジャズファンによるレコードコンサートにはお客様が多いようです。
5月に訪れた際の、喫茶マシュマロの販売用CD陳列棚。ヤン・ラングレンの諸作が並んでいます。