安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ピエリック・ぺドロン DEEP IN A DREAM

2015-08-19 21:55:22 | アルト・サックス

先日、長野県下伊那郡高森町のジャズ喫茶「リデルコーヒーハウス」に出かけたのですが、帰る途中伊那インターで降りて、伊那市駅の近くにあるのジャズ喫茶「Kanoya」に寄りました。昨年はマスターの体調がよくなくて、休業が続いたこともありましたが、今年は、調子がいいようで毎日お店を開けているのが嬉しいところです。四方山話の背後で、流れていたのは寺久保エレナのアルトサックスでした。アルトサックスのCDを聴いてみます。

PIERRICK PEDRON (ピエリック・ぺドロン)
DEEP IN A DREAM (Nocturne 2005年録音)

   

1969年生まれのフランスのアルトサックス奏者ピエリック・ぺドロンがアメリカで録音したアルバムです。彼は、少なくとも2回来日していて、昨年(2014年)8月には、椎名豊(p)のグループに加わり新潟県見附市でも公演が行われました。僕は、日程が許さず行けなかったのですが、その代わりにこのCDを手に入れました。ぺドロンは、このアルバムではフィル・ウッズ(as)をちょっと想いおこさせる演奏を行っています。

メンバーは、ピエリック・ぺドロン(as)、マルグリュー・ミラー(p)、トマ・ブラメリー(b)、ルイス・ナッシュ(ds)。ぺドロンは、サクソフォン製造のセルマー社のアドバイザー的なことも行っていますが、透明感がある音色はそれをうかがわせるものです。マルグリュー・ミラー(p)が、好演をしていてそれも聴きもの。彼のアルバムは何枚も持っているですが、リーダー作がどうもいま一つなのが不思議。ミラーはサイドメン向きなのでしょうか。

曲は、スタンダードとぺドロンの自作です。スタンダードが「Deep in a Dream」、「Change Partners」、「Lover」、「A Nightingale Sang in Berkley Square」、「After You've Gone」、「It Never Entered My Mind」、ぺドロンの自作が「Waltz for a King」、「You Are Laughint at Me」、「Tune Z」で、全9曲。

ハードバップが基本ですが、ぺドロンは長く伸ばした音を使うなど新しさもうかがえます。ぺドロンとミラー、そしてナッシュのサウンドがきれいなことも特筆もの。アップテンポで、ぺドロン(as)が吹きまくる「After You've Gone」は爽快、バラード「A Nightingale Sang in Berkeley Square」では、ぺドロンとミラー(p)が繊細なプレイを行っていて美しい。「Deep In a Dream」は、うきうきとする明るい演奏ですが、モード的な響きをもっていてフレッシュ。

【ジャズ喫茶Kanoya】

住所:長野県伊那市荒井3487
電話: 090-2522-0705
ホームページ:JazzCafeKanoya (Facebookです)