甲府市の山梨県立美術館で開催されている「花の画家 ルドゥーテのバラ」展に行ってきました。この美術館は、安曇野市の自宅から車で80分くらいで着くので、面白い企画展があると出かけて行きます。今回の企画展は素晴らしくて、マリー・アントワネットとナポレオン皇妃ジョセフィーヌに仕えたルドゥーテの精緻な絵に圧倒されました。薔薇そのものの愛好家も多いせいでしょうか、見学者が多くて驚きました。フランスの曲も収録されている作品。
KARRIN ALLYSON (カーリン・アリソン)
FROM PARIS TO RIO (Concord 1999年録音)
カーリン・アリソン(vo)は、ジョン・コルトレーンの「バラッド」中の曲を取り上げたり、ウェイン・ショーターの「Footprints」をはじめ器楽曲を取り上げるなど、卓越した技量の持ち主として知られています。そういう彼女のアルバムの中では、フレンチポップスやボサノヴァを取り上げたこの作品はポップス寄りで若干異色ですが、親しみやすく寛いで聴ける、上質なものになっています。
メンバーは、カーリン・アリソン(vo,p)、ギル・ゴールドスタイン(accordion,p)、ポール・スミス(p,synthesizer)、Danny Embrey(g)、Rod Fleeman(b)、Todd Strait(ds)、Doug Auwarter(surdo,ds)、Kim Park(as,fl)、ストリングスも加わります。曲によって伴奏の編成が変わりますが、ゴールドスタインの弾くアコーディオンは、パリの街の空気が感じられるようで、効果的です。
曲は、「Sous Le Ciel De Paris」(Under Paris Skies、パリの空の下)、「Samba Saravah」、「Te Amo」(I Love You)、「O Pato」、「Ne Me Quitte Pas」(If You Go Away、行かないで)、「Plasir d' Amour」(The Pleasure Of Love)、「O Barquinho」、「Coracao Vagabundo」、「Parisian Thoroughfare」、「Des Histoires」、「Inutil Paisagem」、「Catavento e Giraso」、「Aria」(From Bachanas Brasileiras No.5)、「Belo Horizonte」、「That Day」の14トラック、15曲。シャンソンやポップス、ボサノヴァの有名曲に加え、スキャットで歌われるバド・パウエル作「Parisian Thoroughfare」、前奏といった扱いですが、ヴィロ・ロボス作のブラジル風バッハから「Aria」といった凝った選曲もあります。
懐かしい曲が、爽やかな歌とアコーディオンの音色で聴けます。ジャズヴォーカルファンばかりでなく、ポピュラー系が好きな方にもよさそうなアルバム。「パリの空の下」や「Samba Saravah」では、編曲、歌がお洒落でソフトな仕上がり。スローテンポの「行かないで」や「Plasir d' Amour」では、抒情を帯びてしっとりと歌い、アリソン(vo)の幅の広さが伺えます。一転、スキャットを披露する「Parisian Thoroughfare」は、ジャズ寄りで技巧的です。ギル・ゴールドスタイン(アコーディオン)やDanny Embrey(g)のソロ、そしてストリングスが時々入り、色彩感を豊かにしています。
【カーリン・アリソン・ホームページ】
現在の公演予定などを見ると、ニューヨークのトップヴォーカリストとして活躍している様子がわかります。
【山梨県立美術館 ルドゥーテのバラ展】
美術館入り口。
美術館内の富士見の窓から。当日は天気が良くて、富士山がよく見えたので、写真に撮ってみました。