一昨日アップした、仙台のジャズ喫茶「キジトラ珈琲舎」は、ネーミングに「きじとら」と冠していて、マスターは猫がお好きに違いありません。また、新潟市のジャズ喫茶「A7」には、清正さんという猫がいて、猫好きのマスターは何人もいそうです。ジャズのミュージシャンはcat(キャット=猫)と言われることがありますが、タイトルが「the cat walk」というアルバム。
DONALD BYRD (ドナルド・バード)
THE CAT WALK (BLUE NOTE 1961年録音)
この前札幌に行った際、ジャズクラブ「slowboat」で、山田敏昭(p)トリオ+山田丈造(tp)さんのライブを聴いたのですが、そこで「Say You're Mine」と「Each Time I Think of You」を演奏していました。どちらもデューク・ピアソン作曲のもので当夜の演奏もよかったのですが、その2曲が収録されているドナルド・バードのアルバム「The Cat Walk」を自宅で聴いてみました。
メンバーは、 ドナルド・バード(tp)、ペッパー・アダムス(bs)、デューク・ピアソン(p)、レイモン・ジャクソン(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。当時のバードのレギュラーグループにフィリー・ジョー・ジョーンズが客演した形です。ピアソンは、3曲を提供して、本アルバムの価値を高めました。
曲目は、デューク・ピアソン作が3曲で「Say You're Mine」、「Duke's Mixture」と「Hello Bright Sunflower」、ドナルド・バードとピアソンの共作「Each Time I Think of You」、バード作の「The Cat Walk」、ニール・ヘフティ作「Cute」の全6曲。バード作曲の「The Cat Walk」を直訳すれば「猫の散歩」ですが、バードのソロを聴いていると、動物の猫のような気がしますが、ジャケットに写っている車のジャガーのことかもしれません。
デューク・ピアソン作の美しい名曲「Say You're Mine」を、ドナルド・バード(tp)がミュートで吹くという、この一曲だけでも価値があります。続く、明るくバウンドする「Duke's Mixture」では、バードが輝かしいオープンのサウンドで演奏し、レコードA面最後の「Each Time I Think of You」はいかにもハードバップらしい曲想で、アダムス(bs)のソロを含めて楽しめます。ピアソン(p)やフィリー・ジョー(ds)も好調でバードとピアソンのコンビの代表作に挙げたくなります。
【猫ジャケットのヴォーカル盤を掲載してみました。】
動物ジャケットを集めようする方には、2015年1月号の「ジャズ批評誌」が参考になります。以下は僕の持っているレコードからですが、3枚は上記のジャズ批評誌の表紙にあるものです。
ジェニー・スミス「Jennie」(Dot)
キャシー・カー「Shy」(Roulette)
ペギー・リー「Sugar 'N' Spice」(Capitol)の裏面。
ペギー・リー「Sugar 'N' Spice」(Capitol)の表面。
アン・バートン「It Might as Well Be Love」(Turning Point)