先の札幌・小樽旅行の新幹線車内では読書三昧でした。東北地方を通過していくので、岩手県に関連した小説を読みました。戦国大名の南部氏の物語ですが、結構面白くて、上下巻読了しました。概要です。
上巻の表紙
(本書上巻の紹介)
下巻の表紙
(本書下巻の紹介)
(感想など)
初めて近衛龍春(このえ たつはる)さんの著書を読みました。歴史小説だと、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康とその周辺を題材にしたものが多いですが、著者は、当時の辺境地の大名も取り上げていて、それだけで興味を覚えます。
南部氏は、盛岡を本拠にした大名家で明治まで続きました。本書は、その始祖ともいうべき南部信直、利直親子の奮闘を描いています。史料に基づいた小説なので、固い面や詳細過ぎる著述もありますが、事実の面白さに圧倒されました。
南部利直の二度にわたる津波被害を乗り越えた不屈の闘志には感銘を受けました。検地が未実施だったのにも係わらず、その復興状況に照らして、徳川家康は改易せずに、お家を存続させたのにも感激。伊達政宗の領地奪取にかける意気込みがすさまじく、その点は南部家に同情しました。
(著者略歴)
やっぱり津波で大変だったんですね・・🌊
ちょっと地味目な読書の記事に注目いただきありがとうございます。前半はやや冗長な部分もあるのですが、後半になるにしたがいテンポも良くなって、面白く読めました。
お話のとおり、東北地方の戦国~近世大名は、伊達政宗でとまってしまいますね。その伊達と国境を接しているのですから、南部氏の苦労が滲み出ている小説でもありました。
それにしても、徳川幕府成立以降は、各大名家は、戦(いくさ)手腕より、行政手腕を問われているわけで、この時期、転換をうまく出来たか否かが、明治まで存続できたかどうかの分かれ目になった気がします。そういう点も含めて、南部家の物語は、すごく面白かったです。
コメントありがとうございます。