今年は猛暑で雨が降らない期間が続いたため野菜の出来が悪いとじいちゃん(父です)が嘆いています。高齢な父ですが、趣味と実益を兼ねて畑を作っていて、それが生き甲斐になっているので、嘆きももっともです。今年は、まともなのはキューリくらいで、トマトやカボチャはよくありません。枝豆は、まあまあとれたので、二人で茹でたてをつまみながらビールを飲みました。スタンリー”THE MAN”タレンタインです。
STANLEY TURRENTINE (スタンリー・タレンタイン)
BLUE HOUR (BLUE NOTE 1960年録音)
スタンリー・タレンタイン(ts)のプレイは、サウンドといい、フレーズといい、とにかく黒々としています。ブルージーこの上ないのですが、ジャズ喫茶で聴いた覚えがあまりありません。作品にはオルガン入りのものも多く、かつては一般的でなかったかもしれません。サイドメンとしては、ケニー・バレル(g)の「Midnight Blue」を思い浮かべます。
これはタレンタインのワン・ホーン作品ですが、共演者はザ・スリー・サウンズで、ピアノのジーン・ハリスは、ソウルフルなプレイを身上とするだけに、相性のいい組み合わせです。タレンタイン(ts)、ハリス(p)、アンドリュー・シンプキンス(b)、ビル・ドゥディ(ds)というメンバー。
「Blue Hour」とは、朝の薄明かりの時を指し、ジャケットもそんな感じです。アイラ・ギトラーが書いたライナーには「that early morning time~」と、また「The Blues in Blue Hour」とあり、ブルーズ色の濃い内容。曲目は、「I Want a Little Girl」、「Gee Baby ain't I Good to You」、「Blue Riff」、「Since I Fell For You」(バディ・ジョンソン作)、「Willow Weep For Me」。
タレンタインはR&Bバンドの出身ではあるものの、ここでは、抑え気味で意外に端正なプレイをしています。スローテンポで、G・ハリス(p)の前奏からブルームード横溢の「I Wan't a Little Girl」、やや早いテンポのハリス作「Blue Riff」はテーマも楽しく、スリー・サウンズとの共演が成果を上げています。「Willow Weep For Me」も含めて、じっくりとタレンタインの吹くテナーの音色や節回しを堪能しました。
ジャズ喫茶の内部事情を教えていただきありがとうございます。確かに、娯楽色が強いとか、ハードバップから遠く離れていると、リクエストを断わられることもありました。
70年代という、コアなジャズファンの間では、コルトレーンなどハードなものがまだまだ人気を集めていた時代のせいもあるかもしれません。
70年代ジャズ喫茶でタレンタインをかける店はほとんどありませんでした。レコードは勿論あるのですが、リクエストがあってもかけないのがプライドだったのかもしれません。同じ憂き目にあっているのはスリー・サウンズやルー・ドナルドソンのブーガルー、ブルーベックのテイク・ファイブでした。私がサラ回しをしていたころ、ジミー・スミスのキャットを閉店後、こっそり聴いてました。(笑)
タレンタインは、フュージョンで大当たりをとったためか、あるいはリズム&ブルース色が強いためか、日本で紹介されることも少なかったです。ジャズ喫茶でかからなかったのもそのせいかもしれません。
僕も昔は、二流のテナーだと頭から信じこんでいました。なにしろ、当時のディスク・ガイドには名前さえ載らなかったので。しかし、ブルーノートにはいいものがありますし、捨てておくにはもったいないですね。今は「Minton's」など、結構評価されるようになってきたのではないでしょうか。
ボクの通っていたジャズ屋でも、タレンタインはあまりかかりませんでした.
どちらかというと、シリアスという感じには受け止められていなかったようですね.
でも最近になって「なんだ、普通にいいじゃん!」って感じで、ボクは結構はまっています.
このアルバムは、あまりにタイトル・イメージとマッチしすぎた感じがあり・・・・個人的には、もう少しファンキーに吹いているほうが好きです.