長野県飯田市に実家のある友人から、同地にある喫茶店で豆も販売している「カフェ・トロピコ」の中深煎りブレンドの粉をいただきました。『コーヒーは焙煎を行ってから約2~3週間も経過すると「腐り」ます。』と説明書にあって、ハンドピック、焙煎、新鮮さを大事にしているようです。いただいた珈琲の粉を用いて飲んでみましたが、美味しい。飯田市近辺ばかりでなく、県内でもいい方に入ると思われる味でした。滋味溢れる演奏が収録されています。
JOE LOCKE (ジョー・ロック)
INNER SPACE (SteepleChase 1995年録音)
ジョー・ロックは、1959年カリフォルニア生まれのヴィヴラフォン奏者です。多数のアルバムがあり、2014年にも来日をしているので、お聴きになった方もいると思います。革新的なことはやりませんが、充分にスイングし、繊細さも併せ持っていて、ミルト・ジャクソンやボビー・ハッチャーソンの後継者といっていいのではないでしょうか。ジャケットが強面ですが、内容は優しげなアルバムです。
メンバーは、ジョー・ロック(vib)、マーク・ソスキン(p)、ハーヴィー・シュワルツ(b)、ティム・ホーナー(ds)。1990年代前期におけるジョー・ロックのレギュラー的なコンボによる録音なので、演奏機会の多かった曲が選ばれているようです。マーク・ソスキン(p)は、1978~90年の長きに渡り、ソニー・ロリンズ(ts)のサイドメンとして活動していました。リーダー作は多くありませんが、サイドメンとしての吹き込みは多数あります。
曲は、ピアニストの作ったものが多いのが特徴です。ジョン・ルイス作「Django」(ジャンゴ)、アンドリュー・ヒル作「Tripping」、フランク・キンブロー作「Sanibel Island」、デニ—・ザイトリン作「Quiet Now」、チック・コリア作「Inner Space」、そして、スタンダードの「Fly Me To The Moon」と「Skylark」、ハービー・シュワルツ作「Truce」の全8曲。MJQが演奏した「Django」が注目されますが、ヴァイブ奏者のアルバムに、A・ヒルやD・ザイトリンの曲が選曲されているのが意外性があって面白い。
ジョー・ロック(vib)は適度にソウルフル、かつ、端正で爽やかななプレイをしています。「Django」のテーマ部の弓弾きのベースが絡む幻想的な音色、そして、ロックのソロもこの曲のムードに相応しく、MJQ以外の優れた「ジャンゴ」として印象に残ります。また、A・ヒル作の「Tripping」は、哀愁味のあるテーマと、ロックの細かな音を使った雄弁なソロがかっこいい。
【カフェ・トロピコ】
住所:長野県飯田市上郷飯沼1795-7
電話:0265-21-5201