安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

トン・コープマン指揮 NHK交響楽団演奏会 (6月17日 上田市サントミューゼ)

2017-06-19 20:10:19 | 演奏会・ライブ

先週の6月17日(土)、上田市のサントミューゼでNHK交響楽団の演奏会があったので、出かけてきました。客席は、9割以上埋まっていて、遠くから聴きにみえている方もいるようでした。

   

(出 演)

指揮:トン・コープマン
フルート:カール・ハインツ・シュッツ
ハープ:シャルロッテ・バルツェライト
管弦楽:NHK交響楽団

(曲 目)

モーツァルト / 歌劇「魔笛」序曲
モーツァルト / フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 k.299
モーツァルト / 交響曲第41番 ハ長調 k.551「ジュピター」 

(アンコール)

イベール / 間奏曲 (シュッツ、バルツェライト)
モーツァルト / セレナードK.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第一楽章(トン・コープマン指揮NHK交響楽団)

今回は聴きたい曲目ばかりなので、ずいぶん前から楽しみにしていました。指揮者のコープマンさんはオランダ出身の有名な古楽系指揮者で、ソリストのシュッツさん(fl)とバルツェライトさん(harp)はウィーン・フィルハーモニーの団員です。シュッツさんは、ウィーン・リング・アンサンブルの公演でこの1月に長野で聴きました。

歌劇「魔笛」序曲からスタートしましたが、あっさりとした演奏で、短いせいもあり、ほとんど印象に残りませんでした。続いては、最も楽しみにしていた「フルートとハープのための協奏曲」で、ピエール・ランパル(fl)とリリー・ラスキーヌ(harp)をソリストに迎えたパイヤール室内管弦楽団のアルバムをかつてはよく聴きました。

   

パイヤール室内管弦楽団のCD。曲目は、モーツァルト/ フルートとハープのための協奏曲・クラリネット協奏曲

この協奏曲では、モーツァルトの伸びやかで爽やかな旋律と、フルートとハープの典雅な響きににうっとりとさせられました。二人によるアンコール演奏は、イベールの比較的知られている曲ですが、コンサートで聴くことができるとは思いもよりませんでした。

休憩を挟んで、「交響曲第41番」。この曲については、カール・ベーム指揮ベルリン・フィルのレコードで馴染んできましたが、トン・コープマンの指揮は、かなり快活な演奏に聴こえ、なかなかよいものでした。また、木管、金管がしっかりしていたのが印象的で、特に、フルートが細かな音符まできれいに聴こえました。

アンコールの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は、しっとりとしながら重くならない弦楽器の響きが美しく、曲の素晴らしさを堪能できました。今日の演奏会(午後3時開演)では、軽快で生き生きとした音楽を聴かせてもらい、明るい気分になって帰途につきました。


ルイス・ヘイズ ICHI-BAN

2017-06-18 09:53:30 | ベース・ドラムス

ジャズ批評誌の2017年5月号(隔月誌です)は、「ジャズ100年の名曲&名盤」と題し、ジャズライターやミュージシャン、ジャズ喫茶店主ら60人にアンケートした結果が載っていました。各人10枚のアルバムを挙げてあり、それぞれ自由に選んでいて、統計をとっても「一番」は決めかねる結果で、頗る興味深かった内容です。「Ichi-Ban」という曲が入っているアルバムを聴きます。

LOUIS HAYES (ルイス・ヘイズ)
ICHI-BAN (TIMELESS 1976年録音)

   

ルイス・ヘイズ(ds)とジュニア・クック(ts)の双頭バンドのアルバムです。この二人は、ホレス・シルヴァーのグループで1959年から60年まで一緒に演奏をしていた仲ですが、1975年には、ルイス・ヘイス=ジュニア・クック・クインテットを結成して本アルバムを残しています。ホレス・シルヴァー繋がりの豪華なメンバーが特徴です。

メンバーは、ルイス・ヘイズ(ds)、ジュニア・クック(ts)、ウディ・ショウ(tp)、ロニー・マシューズ(p)、スタッフォード・ジェイムス(ds)、ギレルミ・フランコ(per)。ウディ・ショウもホレス・シルヴァーのところにいたので、卒業生が集まっています。

曲は、ロニー・マシューズ作「Ichi-Ban」、セロニアス・モンク作「Pannonica」、テックス・アレン作「Brothers and Sisters」、ウディ・ショウ作「The Moontrane」、ウォルター・ブッカー作「Book's Bossa」の5曲。「Ichi-Ban」は、ロニー・マシューズがアート・ブレイキーの日本ツァーに参加した際に覚えた日本語の「一番」で、言葉の響きが気に入って曲名としたものだそうです。

モーダルな曲想の曲が多く、ウディ・ショウ(tp)の鋭いソロ・フレーズも入り、全体に熱くタイトなセッション。「Ichi-Ban」は、日本的な響きがするのが面白く、ギレルミ・フランコ(per)が参加した「Brothers and Sisters」は、ラテンナンバーといってよく賑やかで楽しい。「The Moontrane」はショウの代表作ですが、ショウとマシューズ(p)が爽快なソロを繰り広げています。「Book's Bossa」も、各人のソロが聴きもの。リーダーのヘイズ(ds)は、縁の下の力持ちといった役割で、ジュニア・クック(ts)もバラード「Pannonica」でフューチャーされています。

【ジャズ批評2017年5月号】

   

以下、僕と嗜好がある程度似ていると思われる3人が挙げた1~5番までのアルバム。曲名は省略します。

(高田敬三さん) マット・デニス、ナット・キング・コール、メル・トーメなど

   

 (武田清一さん) リー・ワイリー、べヴァリー・ケニー、ビル・エヴァンスなど 

   

(宮川 純さん) オルガン、ピアノ奏者です。大野雄二ルパンティック・シックスで聴きましたが、グルーヴィーで、かっこいいオルガンプレイをしていました。注目すべきミュージシャンです。ハンコック、ケリー、ブレイキー、ラリー・ヤングなど

   


角蔵山登山 (標高1,164m 長野県安曇野市)

2017-06-16 20:01:30 | 登山・ハイキング

6月11日(日)の午前中、安曇野市堀金にある角蔵山(かくぞうやま)へ登りました。お目当ては、常念岳の眺望でしたが、登山道が整備されておらず、背の高い笹に囲まれて、多分山頂に着いたとは思いましたが、撤退してきました。平成28年9月から全山留山の表示も貼ってありました。

ブログなどを読むと何人も登っていて、地図ももっていたのですが、そこに記載されている標識は見つけられませんでした。住吉神社の奥社があり、参道までは整備されています。歩行時間は2時間15分ほどでしたが、常念岳をわずか望めたことと、「ほりでーゆ~四季の郷」の露天風呂がよかったので、まずまずでした。

【行 程】

安曇野市自宅 7:15(途中買い物) ~ 角蔵山登山口 7:45 ~ 住吉神社奥社への分岐 8:11 ~ 山頂付近 8:50 ~住吉神社への分岐 9:35 ~ 住吉神社奥社 9:38ー52(おやつ休憩) ~ 登山口 10:14

ほりでーゆ~四季の郷(温泉) 10:40ー11:20 ~山口家住宅 11:26ー11:42(見学と会話) ~ 安曇野市自宅 12:05

登山口手前に数台置けそうな空き地がありました。

住吉神社奥社への表示

鳥居をくぐります。

道はよく整備されています。あとで、山口家の奥様から、春と秋、奥社へのお参りの道は清掃や整備を行っていると伺いました。他にもルートがあるようです。

きのこの一種でしょうか。

右に左に小刻みに巻きながら上っていきます。

間伐を行ってあるヒノキ林です。傾斜が結構あります。

そろそろ尾根です。

ここが、山頂と住吉神社奥社への道の分岐です。昔は、このあたりに標識があったようです。

左に折れて山頂を目指します。このような状態なので、快適とはいきませんが、踏み跡がしっかりあるので、進みました。

軽いアップダウンがあります。

他にあるのかもしれませんが、花はツツジが目にとまっただけでした。

いったん下ります。

開けたところにでますが、防火帯のようでしばらく続きます。

防火帯の先は、また藪でした。

櫓があり、この下に三角点がありました。

三角点です。かつては見通しが効いたのかもしれません。ひょっとしてこのあたりが山頂なのか?

かきわけながら進みます。

角蔵山観音寺跡の標識。このそばに山頂があるはずなので、進みます。

ちょっとした広場にでましたが、多分ここが山頂かと思い、山頂の標識を探しましたがありません。背丈よりも藪が高いので、先や横へ行くのはあきらめました。

戻るにしてもこんな感じです。長袖のシャツとつばの広い帽子の支度だったので、よかったです。

いったん防火帯まで下ります。白樺の木もありました。

そのあたりから左(上りでは右)方向に常念山脈がちらちらと見えます。かろうじて樹間から撮影。

常念岳でしょうか。かろうじという感じで撮影。撮影できる場所はないかとうろうろしました。

「H28年9月から通年入山禁止」という表示があって、多分、きのこや山菜が豊富なのでしょう。

分岐です。右に下らず通り過ぎて、住吉神社の奥社を見学にいきます。

道ははっきりとしています。

住吉神社奥社。お参りしました。

あたりは整備されています。ここでゆっくりとおやつ(大福餅とパウンドケーキ)にしました。

分岐までもどり左に折れて、下ります。こうしてみると参道はよく整備されています。

上から見ると結構な傾斜なので、滑らないようにゆっくりと下りました。

鳥居に到着

すぐに登山口です。

山頂がおぼろげで、達成感のない山登りでしたが、入山禁止の山なので、歩かせてもらっただけよかったです。上るなら、登山道は刈り払いがされていないので、晩秋か春の早いうちがいいなと思いました。

林道を下ってくると、熊檻を設置中でした。今年は、熊はまだ出没していませんが、熊のいる山です。温泉に入るべく「ほりでーゆ~四季の郷」を目指します。それについては、別記事に書きます。


ジェニー・スミス NIGHTLY YOURS

2017-06-15 20:33:22 | ヴォーカル(E~K)

信州デスティネーションキャンペーン用に作られたパンフレット「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」を電車の待ち時間にパラパラと見てみました。表紙には野辺山宇宙電波観測所(南牧村)の夜の写真が使われるなど、満天の星を辿る旅をアピールしているのが特徴で、星空観察も面白そうです。「Fly Me To The Moon」(「月へ飛ぶ想い」)が収録されているアルバムを。

JENNIE SMITH (ジェニー・スミス)
NIGHTLY YOURS (CANADIAN AMERICAN 1963年録音)

   

ジェニー・スミス(vo)は、4枚のLPを録音していますが、その3枚目にあたるアルバムです。原盤は、Canadian Americanで、リンダ・スコットなど、主にポップス系のものを出した会社です。オリジナル盤も持っていますが、聴いているのは、ジャケットをジェニー本人提供のものに変えた日本のSSJから出されたCDです。オリジナルは、ピッチが高く設定されていたので、それを直したとライナーにあり、確かにいくぶん落ち着いて聴こえます。

編曲と指揮は、モート・ガーソンで、ビッグバンドを主に、ストリングスも使っています。このアルバムの正式な原題は、「Nightly Yours On The Steve Allen Show」で、ジェニーは、スティーヴ・アレンのテレビ番組に2年間ほどレギュラー出演していたので、そのようなタイトルになったようです。また、スティーヴ・アレン作曲のものを3曲取り上げています。

曲は、スティーヴ・アレン作が「This Could Be the Start of Something」、「They've Got a Lot to Learn」、「Gravy Waltz」の3曲。あとはほぼスタンダードで、「Fly Me to Moon」、「I'll Get By」、「Speak Low」、「As Long As He Needs Me」、「My Man」、「Let's Face the Music and Dance」、「Mean to Me」、「Someone to Watch Over Me」(やさしき伴侶を)、「Nice 'n Easy」、「As I Love You」の13曲。「As I Love You」は、シングル・カット用の録音で、CDのボーナストラック。

ジェニー・スミス(vo)のアルバム中でもジャジーなもので、インストのファンにもよさそうなアルバム。ビッグバンドの豪快なサウンドに乗って快調に飛ばす「This Could Be the Start of Something」や「Let's Face the Music and Dance」、スローテンポで弦の伴奏も入り、ヴァ―スから歌っている「Fly Me to the Moon」、スローテンポで伸びやかに歌い上げている「Someone to Watch Over Me」などと、声質、声量、スイング感も申し分ない快唱が続きます。僕は彼女のファンの一人だったので、御代田町にジャズカフェ「Jennie」が、昨年開店したのには、快哉を叫びました。

(参考)【CANADIAN AMERICANレコード・ジャケット】

   

【信州ディスティネーションキャンペーンのパンフレット】

  

表紙です。使われている大きな写真は、国立天文台 野辺山宇宙電波観測所(南牧村)。

  

星空観察を楽しめる、スター・ビレッジ阿智や南信州広域公園うるぎ星の森オートキャンプ場などが紹介されています。


いーぐる (ジャズ喫茶 東京都新宿区四谷)

2017-06-14 20:13:27 | ジャズ喫茶

6月12日(月)に新宿に行ったのですが、お昼休みの時間がとれたので、足を延ばして、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」に行ってきました。午前11時30分という早い時間から営業をしているジャズ喫茶は東京では多分こちらだけです。開店と同時に入ったので、初めは1人でしたが、20人以上が入っていました。

かかったアルバム(全てCD)は、ハードバップ系統のもので、かなり楽しめました。とにかく、スピーカーから出てくる音量、音質が自宅のものとは異なリます。デクスター・ゴードン(ts)の音は、最初の「Just Friends」の出だしを聴いたらタイトで別人かと驚いたくらいです。

トランペットのイラストが目印。

お店は地下一階になります。

店内

座った席からです。

スピーカー

いーぐるのオーディオ(お店のホームページから転載させていただきました)

・スピーカー JBL 4344 MarkⅡ
・プリアンプ アキュフェーズ C 280V
・パワーアンプ マークレヴィンソン 23.5L
・CDプレイヤー デンオン DCD SA1
・CDプレイヤー アキュフェーズ DP 67
・アナログプレイヤー ヤマハ GT 2000
・カートリッジ デンオン DL 103 LCⅡ

厨房の方です。

セットのサラダ

ミートスパゲッティを頼みました。

朝食を食べていないので、フランスパンももらいました。

珈琲。

(かかっていたCD)

聴いたのは次のとおりですが、ジュニア・マンスとチャールズ・マクファーソンのものは短時間です。CD全部をかけるのではなく、各々のCDから2~3曲をかけていました。今回、どういうアルバムをかけているのか見たリ聴いたりするのが楽しみで、ジャケットの撮影もしました。

ジュニア・マンス(p) /  Soulful Piano of Junior Mance (Riverside)
アート・ブレイキー(ds)/ Free For All (Blue Note)
デクスター・ゴードン(ts)/  Stable Mable  (SteepleChase)
ウェス・モンゴメリー(g)/ Live in Paris 1965(France's Concert)
チャールス・マクファーソン(as)/ Beautiful (Xanadu)

こんな素晴らしい装置で、ハードバップジャズを聴きながら昼食ができて、至福の一時でした。お店で開催されている土曜日のイベントなどに来れればよいのですが、長野からだと難しいので、機会がある時にまた寄るつもりです。

【いーぐる】

住所:東京都新宿四谷1-8-6
電話:03-3357-9857
ホームページ:ジャズ喫茶 いーぐる