今月(2024年7月)号のジャズ批評誌は、「銀幕の歌姫」を特集。ヴォーカルのアルバムが数多く紹介されています。アナ・マリア・アルバゲッティを既に取り上げましたが、2回目はシビル・シェパードです。
スタン・ゲッツが共演した「Mad About The Boy」(その記事へのリンク)は2010年9月に拙ブログで取り上げましたが、今回は、メンフィスで録音され、フィニアス・ニューボーン(p)が共演した「Vanilla」です。
ジャズ批評2024年7月号表紙
シビル・シェパード紹介のページ。
CYBILL SHEPHERD (シビル・シェパード)
VANILLA (Peaboy 1978年録音)
シビル・シェパード(vo, 1950年生)は、映画「タクシー・ドライバー」やテレビシリーズ「こちらブルームーン探偵社」に出演しているので、日本でも知られている女優さんだろうと思います。歌の方も、本格的です。
シェパードは、テネシー州メンフィス出身で、同地で録音した「Vallia」は、フィニアス・ニューボーン(p)、ジャミール・ナッサー(b)、Fred Ford and His Beale St. USA Orchestra、による伴奏。編曲は、同OrchestraのEdger Matthewsによるものです。
曲目は、次のとおり。
1 I Can't Give You Anything But Love (Jimmy McHugh)
2 More Than You Know (Vincent Youmans)
3 Vanilla (S. Silverstein)
4 Ain't Misbehavin' (Thomas Waller, Harry Brooks)
5 When It's Sleep Time Down South (Rene, Rene)
6 'S Wonderful (George Gershwin, Ira Gershwin)
7 I Didn't Know What Time It Was (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
8 My Ship (Kurt Weill)
9 A Foggy Day (George Gershwin, Ira Gershwin)
スタンダード曲集です。良く知られた曲が多いですが、「Vanilla」は、わかりませんでした。コマーシャルソングかもしれません。「When It's Sleep Time Down South」(南部の夕暮れ)は、ルイ・アームストロングの持ち歌として有名。
掲示したジャケットはCDのものです。レコードが欲しいのですが、なかなか困難で、未入手です。シビル・シェパードは、フェイクも交えて歌い、声は伸びています。編曲はややうるさくて今一つですが、フィニアス・ニューボーンのピアノも聴けるので、入手してもよいアルバム。シビルが軽快にスイングした「I Can't Give You Anything But Love」では、ニューボーンの華麗なロングソロが楽しめ、バラードの「More Than You Know」と「My Ship」も、しっとりとしていい雰囲気です。
安曇野宅で聴いているところ。飾ってあるのは、シビル・シュエパードのリーダー作で、右から「Cyvill Does It to....Cole Porter」(Paramount オリジナル盤)、本作「Vanilla」(CD)、「Mad About The Boy」(Inner City 仏再発盤)。
(出演映画などから)