狂言「居杭」
仕舞「白楽天」
舞囃子「歌占」
仕舞「井筒」
仕舞「白楽天」
舞囃子「歌占」
仕舞「井筒」
舞囃子「弱法師」
仕舞「玉之段」
仕舞「玉之段」
クロージングトーク
年間4回の公演で構成される「渋谷能」の千秋楽。
私は、第一夜と第二夜の日程が合わなかったので、第三夜「求塚」(けんかをあおる)しか観ていないのだが、たまたまチケットが取れたので第四夜(千秋楽)も観ることにした。
狂言を入れたのは、「渋谷能」の場合、通常、時間の関係で狂言を入れられないので、最後は上演したいというものらしい。
「居杭」は私は初見だが、子方(茂山郁馬君。10歳)が大活躍する、観ていて微笑ましい演目である。
能の方は、「ダイジェスト版」、つまり、オペラやバレエの「ガラ公演」と似ていて、有名な演目の見どころの部分を抜き出して演じるというもの。
なので、もとの演目を知っているのが前提であり、あまり初心者向きではないのかもしれない。
個人的に感心したのは、太鼓(大倉慶之助さん)の音が実によく響くのと、金剛流の地謡の声が揃ってよく通るところだが、一番面白かったのはクロージング・トークである。
複数の方がおっしゃっていたのは、「稽古をし過ぎてはいけない」ということだった。
あまり稽古をし過ぎると、それと同じ演技を本番でもやろうとしてしまい、「一期一会」の演技ではなくなってしまうからだそうである。
そういえば、劇作家のサイモン・スティーヴンスも、「芝居の一回性」を強調していた。
考えてみれば、「この場所・この時間」こそが、舞台芸術(というか舞台)の核心的な構成要素なのだった。