Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

稽古し過ぎない

2025年03月11日 06時30分00秒 | Weblog
狂言「居杭」
仕舞「白楽天」
舞囃子「歌占」
仕舞「井筒」
舞囃子「弱法師」
仕舞「玉之段」
クロージングトーク

 年間4回の公演で構成される「渋谷能」の千秋楽。
 私は、第一夜と第二夜の日程が合わなかったので、第三夜「求塚」(けんかをあおる)しか観ていないのだが、たまたまチケットが取れたので第四夜(千秋楽)も観ることにした。
 この日は、狂言、仕舞舞囃子で構成される、ちょっと変わったプログラム。
 狂言を入れたのは、「渋谷能」の場合、通常、時間の関係で狂言を入れられないので、最後は上演したいというものらしい。
 「居杭」は私は初見だが、子方(茂山郁馬君。10歳)が大活躍する、観ていて微笑ましい演目である。
 能の方は、「ダイジェスト版」、つまり、オペラやバレエの「ガラ公演」と似ていて、有名な演目の見どころの部分を抜き出して演じるというもの。
 なので、もとの演目を知っているのが前提であり、あまり初心者向きではないのかもしれない。
 個人的に感心したのは、太鼓(大倉慶之助さん)の音が実によく響くのと、金剛流の地謡の声が揃ってよく通るところだが、一番面白かったのはクロージング・トークである。
 複数の方がおっしゃっていたのは、「稽古をし過ぎてはいけない」ということだった。
 あまり稽古をし過ぎると、それと同じ演技を本番でもやろうとしてしまい、「一期一会」の演技ではなくなってしまうからだそうである。
 そういえば、劇作家のサイモン・スティーヴンスも、「芝居の一回性」を強調していた。
 考えてみれば、「この場所・この時間」こそが、舞台芸術(というか舞台)の核心的な構成要素なのだった。
コメント
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