チャップリンの映画を観たのは、高校性の時、学校で映画館に観に行った記憶ぐらいしかない。今時チャップリンを観せるなんて、ダサイ高校だと思ったものである。チャップリンのギャグなど、ただ古いと思ったし、さらに笑いに泪がくっつくことが大嫌いときているから、なおさらである。 しかし、何作ものDVDを改めて観て、考えを新たにした。その運動神経に感服。バカバカしいギャグさえ面白い。『街の灯』の盲目の少女が、目を治してくれた恩人が、浮浪者のチャップリンだったと知るラストシーンも、すでに使い古されているイメージだと思いながらもウルッときた。これは単に、私もヤキがまわった、という話かもしれないが、良く作られた物はそういったものなのであろう。 小津安二郎の『東京物語』を映画館で観て、葛飾からわざわざ銀座くんだりまで来て、こんなもの見せやがって、と耐えられず、腹を立てながら途中で映画館を出たのも、あの高校生の頃であった。なんだかんだと、時間はかかるものである。
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