明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



あるギターのサイトを見ていたら、自分の好きなミュージシャンの使用したギターの、キズや補修跡を自分のギターに再現して喜んでいる人がいて、色んな人がいるものだと思っていたら、最近はギターメーカーの職人が、例えば、エリック・クラプトンや、スティービー・レイボーン愛用ギターのキズや、塗装の剥がれ、タバコの焼け焦げまでを、そのままコピーしたものを、限定何本とかで、高価な値段で売っているらしい。ジーンズのストーンウオッシュのように、ギターにエイジングを施すことをレリック加工というそうである。たしかに昔見た、ロリー・ギャラガーが使っていたボロボロのギターはカッコよく見えたものだが、そこまで再現されると、自分で新たなキズを付けるわけにいかず、飾っておくしかないだろう。 知人の男に、学生運動などとは無縁なくせに、ベトナム戦争や、デモの取材でオンボロになったカメラに憧れ、自分のニコンにヤスリをかけている男がいた。見ていて呆れたものだが、あれは止め時が難しそうである。私は撮影にでも使おうと思って、頭蓋骨のプラモデルに塗装をしていて、熱中のあまりエイジング?しすぎて醤油で煮〆たようにしてしまったことがあるが、子供の頃、駄菓子屋の水あめを割り箸でこねくり、空気を含ませ真っ白くしたり、梅干を包んだタケノコの皮をしゃぶって赤く染めることを熱中したのは、決まって男の子であり、新品のギターやカメラをわざわざボロくして喜んでいるのは、おそらく男性だけであろう。

01/07~06/10の雑記
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