明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


フラワーホーンは人の手により作られ、人工的な繁殖をくり返してきた種であるため、子育てするという概念を忘れている、という人がいる。本来シクリッドという種類は、時にペアが協力して子育てをするのだが、私の経験では、フラワーホンも例外ではなく、オスは当てにはできないものの、メスは常に卵が黴ないよう、新鮮な水がいきわたるようにヒレで扇ぎ続ける。しかし今回のメスは、当てにならないオスから卵を守るよう、いつも卵の上に常駐しているものの、一切扇ごうとしない。白く濁ってしまった卵をどかし、判りにくいような場所に隠すように移動させているのだが、今のところ孵化にまで至っていない。
頭部が完成すれば、もう出来たも同然なのだが、そんな時、頭を持って歩くことがクセになった。放っておいて、印象が変るのを恐れているのかもしれない。正月中も制作していようと思っているので、御茶ノ水に材料を買いに行く。ついでにテキサスのブルースマン、ホップ・ウイルソンのCDを買う。どうしてもLPで、すでに持ってるものを買ってしまう。スチールギターを弾くウィルソンは、明るい曲調のわりに陰鬱なトーンの歌が魅力である。ジャケット写真も歯が痛いような、梅干を口に含んでいるような、嬉しくない表情をしている。木場に着くとすでに5時過ぎ。本日はK本の本年最終日である。御常連はすでに到底追いつけない域に達していた。松竹の矢島プロデューサーと元木監督が来たので、“松竹”の小津安二郎の頭を披露したのであった。

01/07~06/10の雑記
HOME

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )