明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

川並  


午後、母と父の墓参りに親戚の寺のある神楽坂へ。昼食にそばをご馳走になる。最近、体操で減量に成功しつつある母は、体操を近所の知り合いに伝授して喜ばれているそうである。ダイエットの必要のある私と叔母にも教えようとするが、煩さがる叔母と私。母にいわせると私と叔母は性格が似ているらしい。 4時過ぎにK本に行くと、最近は常連席以外は、見たことのない客に入れ替わっている。血を入れ換えて血液型まで換わってしまった団十郎の如し。K本の店内は昭和20年代からそのままだが、深川木場という場所柄、昔は川並と呼ばれる、材木を筏に組んで、川を運んでいく筏師が常連だったそうである。当然そうとう荒っぽい。川並を含め、危険な仕事に携わった人々は、万が一事故に会ったとき、身体の彫り物で身元確認したものらしい。女将さんには未だ、そんな川並に伍して日々焼酎を注いでいた雰囲気が残っている。 私の記憶にも木場といえば、川に浮かんだ材木である。最近深川生まれの小津安二郎の資料を読みふけっているが、大島渚の『青春残酷物語』で筏の上にパンツを干すシーンがあり、筏が聖域である小津は怒っていたそうである。大島渚に解るわけがない。

01/07~06/10の雑記
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