明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



朝から小津安二郎の頭を作り、昼過ぎに古石場文化センターに、職員のNさんに借りた『東京暮色』『彼岸花』を持っていく。ついでに制作中の小津の頭を披露すると、職員の皆さん集まる。カラー作品の『お早う』『秋刀魚の味』『秋日和』。『東京物語』を借りる。 夕方、銀座青木画廊へ。来年辺り個展を、というお話。ワインをいただきながら、青木さんと渋澤龍彦、瀧口修造などの話をする。ここ数年個展をやっていないのが気になってはいたが、すぐにあれを、とは浮かばず、考えさせていただくことに。木場に着きK本に直行。閉店までの30分飲む。昨日、その前日と、刻々と変る小津を、そのたび常連に見せている。そんなことをしているうち、間もなく頭部は完成するであろう。頭さえできれば、できたも同然である。 帰宅後『秋刀魚の味』を観る。『彼岸花』の出演者が、役割変えて続編を撮ったようで、セットも使いまわしのように見える。変った着物にカラフルな食器、カラーバケツ、独特の棒読みセリフ。小津映画の中に実際放り込まれたら、宇宙人に乗っ取られた人々のように見えるであろう。なんかヘンだぞ、お前等、というわけだが、この演出法により、娘の縁談など、まったく、どうでもよい話が面白い。佐田啓二の映りの良さは、鶴田浩二と双璧に思えるが、それにしても岩下志麻の美しさ。昔、100万ドルの顎といわれていたのではなかったか。

01/07~06/10の雑記
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