明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



小津の全身は未だ作り始めていない。どんな服装にするか決めかねているからである。2種類作る予定だが、白いシャツはともかく、問題はカーディガンを着た場合である。私はお洒落など無縁な人間で、まったく興味がない。しかし小津安二郎などという男を作ることになって、しかもよりによってカーディガンを着せようと考えた場合、実にやっかいなことだということは解るのである。小津の写真はほとんどモノクロであり、残された資料に小津の服は残っていない。小津の実弟、信三が兄の服を受け継ぎ、大事に着用したあげく、着潰したようである。本日、古石場文化センターのシネマフェスティバルの初日。信三の奥さん、著作権継承者である小津ハマさんとお会いした。まるで小津映画の登場人物のような御婦人であり、小津の首を持って現れた私の質問に、その首を大事に包むように手にしながら、気さくに答えていただいた。そして小津愛用のマフラーの色を確認したが、カーディガンの色は読みがはずれていた。 『東京物語』上映の前の香川京子の講演を聴いて帰る。高校生の時、最初に観た東京物語は途中で耐えられずに帰ったが、今回は観すぎたので帰った。

01/07~06/10の雑記
HOME

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )