明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



小津はなかなかのコント作家であり、計算されたギャグには笑わせられるが、下町生まれの小津にとって、ギャグを考えるのは楽しかったに違いない。私はというと、ギャグということもないが、なにがしかのギミックを加えたくなる。とくにアダージョの表紙は、作家として個展で発表するのとは異なるし、人物を1カットで表現しなければならない。都営地下鉄線を利用する、特集人物に興味がない人にも手にとってもらいたいし、深刻ぶった人物を、深刻ぶったまま通勤客に見せるわけにはいかない。なぜなら私だったらうっとおしいからである。 昨日、一晩かかって画面に押し込んだ○○○だが、小津映画に詳しくない人には、なんのことやら判らないだろうし、画的には無いほうがまとまりは良かったが、私には“普通”で我慢できず、けっきょく力技で構図を見直し、入れてしまった。
私の世代というと、昭和30年代の子供の頃、クレイジー・キャッツ、青島幸夫、さらには赤塚不二夫等の洗礼を受けた世代である。そう思うと○○○は、彼等の頭めがけて、よく落ちてきたものである。

(追記:金ダライではない。真っ赤な金ダライなど見たことも聞いたこともありません)

01/07~06/10の雑記
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