明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

激突  


小津作品ばかり観ていると、同じようなシチュエーション、配役、セットで区別がつかなくなるので、1970年づいているところで、日活ロマンポルノ第一作『団地妻 昼下がりの情事』(1971)を観る。公開当時はさすがに観ていないが、主演の白川和子は、私からするとオバサンに見えたものである。後に観たのは蒲田あたりの映画館だったろう。それにしても、今見るとなんということもない。団地にすむ女房が、同じ団地の女に騙され、そそのかされて売春を始め、旦那が女好きの外人から仕事を取ろうと、売春婦を差し向けたら、それが自分の女房だった、という話だが、売春斡旋業者の役で出ていたのが、5年後ににっかつ衣装部の特攻服を着て、セスナ機で児玉誉士夫邸に突っ込んで死んだ“最後のカミカゼ”こと前野霜一郎であった。三島ファンだったらしいが、画面を見る限りまったく感じさせない。 それにしても男女が車に乗ったまま激突死の最後は、あまりにもお粗末な結末。他の作品にも似たようなシーンがあったと思うが、そんな時代だったのだろう。

01/07~06/10の雑記
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