明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


友人のSと久しぶりに会い、大手門から皇居のお堀周辺を歩く。Sとは20年ぶり位に、将門の首塚を見学。20年前は小雨そぼ降る中、ワンカップを供えた、切羽詰まった表情の男が、どうみても呪いの願掛けをしていた。この塚は、どかそうとすると事故が起こり、周りのオフィスもお尻を向けないような配置になっているそうだが、Sによると、同じような話があった羽田の鳥居は、とっくにどかされたらしく、近所の惨殺事件があったマンションの部屋も、昔と違ってすぐ埋まるそうである。  歌舞伎座も最終日というので寄ってみると、大変な混雑である。25日に配布された『中央公論Adagio九代目團十郎と東銀座を歩く』を持っている人がいても良さそうだが、1人も見かけない。せっかくなので、アダージョを入れて、歌舞伎座と一緒に撮ろうと思い、人ごみをかき分け、東銀座駅の改札に取りにいったが、何処にもない。改札の駅員室で聞いてみると、置くところがないので置いてません、と部屋の奥から持ってきた。九代目を助六にしたのは、当代團十郎が最後に助六をやる、ということも加味していたのである。今日、ここに置いてなくてどうする!25日以降、東銀座で手にした人には、歌舞伎座の思い出と共に記念になったはずである。毎号人物と特集駅の組み合わせで苦しんでいるのだから、せめて特集駅には置いて欲しいものである。  蕎麦屋で一休みすると、入れ違いに左團次と福助。前から行ってみようと思っていた近所の歌舞伎専門の古書店『木挽堂』に寄るが、人がすれ違うのも大変な店で、数人客がいると中に入れず。おそらく知らないだろうと、店主にアダージョを差上げて帰る。 松竹にある大谷図書館で『舞台之團十郎』を見る。制作中は穴の開くほど見たが、すでに懐かしい。深川図書館収蔵の物と明らかに紙質が違う。よってコロタイプ印刷の調子も微妙に違う。  そろそろ飲みに行こう、とSの知ってる店に向かう。煮しめたような店で、氷の入らない正調のホッピー。ただし亀甲宮は少なめ。程よいところでSの奥さんから電話。こんな時、奥さんからの電話にでている彼の姿を見ると、電話の向うはパットン将軍か?と思うのだが、私のブログを見た奥さんに「パットン将軍てなに?」と聞かれるそうである。確かナイチンゲールと並び称された人物だったと記憶しています。

過去の雑記
HOME

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )