明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



アダージョ6月配布号の人物は、調べていくうち、最初のイメーから変ってきた。イメージが変れば、背景も変るし、ポーズも変る。表情にしても、シチュエーションを想定して作るわけだから影響もあるだろう。
これは25日配布号で散々悩まされたことだが、カメラのシャッタースピードが遅い時代、つまり被写体がしばらくジッとしていなければならない時代は、自然な表情を写すのは難しかった。自分ができるだけジッと動かずにいられる表情で、固まっていたわけである。 制作を開始している人物も、それがたまたま日本の行く末を見つめているかのように見える。そのため例によって、各地の銅像も概ねその調子である。しかし私には、スタジオの壁に掲げられた印を、写真師の指定どおりに、早く終わらないかと見つめているだけのように見える。天窓からの光の反射が壁に映っているところをみると、ちょっと眩しかったかもしれない。自動的に、遠くを見つめる表情になる。 不自由な百年以上前の古典レンズを、撮ったり撮られたりしながらレンズテストをした経験があると、そう簡単に鵜呑みにはできない。そもそも、写真師の思惑や、被写体のこう見られたいという思いを、そのまま真に受けているようではしょうがないのである。もちろん写真に写っていない部分は、残された文章や評伝その他をを読んでイメージしていくわけである。イメージを変更するなら今のうちであろう。

※アダージョ25日配布号、特集人物クイズは、本日24時をもって締め切りとさせていたきます。

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