明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


先日来、外で抹茶を飲もうと思いながら、寒かったりして、ようやく門前仲町の石崎園でお茶を買う。猫舌のせいで、私はお茶を飲む習慣がない。コーヒーがまた駄目で、すきっ腹にコーヒーなど一日胃がもたれる。ミルクを沢山入れればなんとかという有様だが、今まで一番飲んだのが冷たい麦茶ではないだろうか。  石崎園で、とにかくなんで良いから、まず甘いものを、といわれたので、きんつばと豆菓子を買い、階下に住む映像プロデューサーのYさんを屋上に誘って、座布団を敷いて簡単な野点としゃれ込んだ。天気が良いので気分も良い。子供の頃は甘いものが嫌いで、とくにアンコが駄目であったが、それがきんつばだというのだから、随分長生きしたようである。先月の花見のくさやパーティーでは、Yさんがしきり役のくせに、くさや嫌いで、給食に嫌いな物が出た小学生のように、こんなウ○コ臭いもの、と盛んにいっていたが、そういえば、子供の頃私はきんつばは、ウサギ屋のオバサンのツバが入ってるに決まってる、などといっていた。  途中から、T屋のHさんも屋上に顔を出し合流。酒呑みが三人晴天の下、抹茶にきんつばとは愉快である。愉快ではあるが、次に何を話せばいいか、お互い目が泳いでいる。ポットのお湯がなくなりお開き。 そのままK本に行くというYさんとHさんだが、私は制作に戻っていると、YさんからK本の最高齢の猫オシマが亡くなったと電話。だいぶ弱っており、餌を食べさせるのも大変だったのは知っていた。行ってみるとオシマはダンボールの中でタオルをかけられ眠っており、すでに硬くなっていた。 女将さんを含め泣いた後の顔をした常連も。初めて来た客にはおかしな光景であったろう。席に着いて飲み始めればいつもどおりだが、それでもなんだか違っていた。閉店ギリギリまで飲んで、帰りにオシマの顔をもう一度見て帰る。酔っ払ったGさんは、再び涙を溢れさせていた。

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