明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『タウン誌深川』の“常連席にて日が暮れる”連載第6回は、おしゃべりは女性の専売特許ではないことをK本で知った、という話である。いいたいことをしゃべってばかりのピッチャータイプと、聞く側に回ることが多いキャッチャータイプがいる。写真はどれを使おう、とK本で撮った中からテーマに合っているカットを選んだ。このことは入稿前に一度書いたような気がする。挿絵としては充分役目を果たしているのだが、手前に静かに飲んでいる男、内容からすればキャッチャーに見えるだろう。その向こうに手振りを交えて話している人がいるからなおさらである。しかしその実態は、飲まなければ静かなのに飲む程に声がでかくなる癖のあるピッチャーであった。K本はいかにも音を吸収する凸凹とした雑物に満ちているが、近所の壁面がステンレス板に覆われた立ち飲み屋などでは反響してうるさくてしょうがない。この男がトイレに立つと、店内の空気がホッとするのが判り、それを店の人にいうと、知らない客までドッと笑った。 何がいいたいかというと、写真はタイトルやキャプションで、いくらでも違った物になる。ということである。

石塚公昭HP

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第6回



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