弥生美術館『耽美・華麗・悪魔主義 谷崎潤一郎文学の着物を見る』を観に行く。美術館など何年ぶりであろうか。坂道の途中の古書店に寄り、「明治百年100大事件上」(松本清張監修)と「昭和を振り回した6人男たち」(半藤一利編著)を購入。昭和を振り回した6人の中に石原筦爾、松岡洋右、阿南惟幾が入っていたので。 最終日ということもあり、予想通り着物姿の女性で一杯。谷崎の『細雪』はレトロな着物好きにはバイブルとなっているそうである。作る方としてはまったく細雪には興味がないが。事前に関西と関東の着物は違う、と聞いてはいたが、まったく判らず。30分程で出て来たが、着物と帯の組み合わせに関して2つ収穫があった。 谷崎で私が手がけよう、と選ぶとしたら『瘋癲老人日記』『鍵』あまり有名ではない辺りから2つくらいだろうか。最も好きな『春琴抄』は谷崎を佐助にはしにくいし、春琴は成り手がいないので、乱歩の黒蜥蜴のように作る事になりそうだし。『痴人の愛』は私の作った谷崎は晩年なので、若い時代を改めて作らなければならないだろう。 帰り際、トラックドライバーSさんからメール。木場に帰って州崎のもつ焼きセンターへ。彼とはスタジオ借りてギターを鳴らしたものだが、ブラック企業なので最近は時間が取れず。OBのKさんが近所なので呼ぶと、本日すでに配布されているであろう『タウン誌深川』の連載“常連席にて日が暮れる”に酒場における酔っぱらい事情を書いたが、中でKさんの歳をバラした、と文句を言う。私にも1歳サバ読んでいたが、66だと本当の事を書いたら、飲み屋のお姉さん達に配りたいのにバレちゃうじゃないか、と。そもそもそのツラで50代はずうずうしいが、酔っぱらって永代通りに頭ぶつけて気絶したこと書いてあるのに、普通配らないだろう。
石塚公昭HP
『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第6回