明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



集中力は衰える物なのかは知らないが、私の場合は、今の所は相変わらずのようである。K本へ行く時間だ、と思いながら気が付いたら閉店時間を過ぎ、T千穂には間に合ったが、そういえば一日何も食べていなかった。という有様である。久しぶりにやってしまった。小学校の低学年の時、始業のチャイムが鳴ったのに本から目が離せず、図書室から出てこなかった事が何度かあり、一時期図書室を出禁になってしまった。夕飯だ、というのに本を読むのを止めないので、本を買わせないよう小遣いを貰えなかった時期もあった。本当は図書館に行きたかったが、道中危険が一杯で、とても行く気になれなかった。縁日に行く小遣いを縁日で使わず、閉店時間を過ぎてシャッターを半分下ろした本屋と家族待たせて本を選ぶ幼い私。実にケナゲな、と私は思うが母はそうは思わなかったらしい。幼稚園児の時、台風の最中、家で佃の渡し船の絵を描いていた。煙突になにかマークがあったけど、同じ物があそこにあったぞ、と母が止めるのも聞かず、マンホールの蓋の東京都のマークを見に行った。この話は昔何度となく聞かされたが、それはもう、生まれつきこうだ、という話であり、だったら私にはなんの責任もない、という話である。 子供の頃と違って現在では集中力を弱める方法を知っている。飲酒である。これがなかったら集中したまま止めるに止められず、寝るに寝られず、実に身体に悪いことになっていた。メデタシメデタシ。

石塚公昭HP

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回



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