明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



撮影用の小物はほとんど一度使えば捨ててしまう。音の出ない太鼓というが破れていなければ音は出るもんだろう、と思ったら本当に出なかった。ウサギが太鼓叩いて大喜び。これでおしまい。先日はやまって捨ててしまって後悔したのは番傘である。三島の背後の四人の着流しと質屋から出て来た樋口一葉に使ったから、まあ活躍してくれた部類であろう。穴が空いていて安かったし。 いずれ出番があるだろう、としまってあるのが、櫛や笄などの和装用小物である。鏡花でも谷崎でも同じ物というのも変なので、少しづつ集めておいた。しかし集めておこう、といかないのは着物である。『貝の穴に河童の居る事』(風濤社)では、河本劇団?のメンバーの奥さんが着物をお持ちで、コーデイネートまで引き受けていただいたので助かったが、今でも思い出しては冷や汗ものなのは、制作が決まった時点で、その点についてまったく考えていなかったことである。前もって考えていたら、そのことがネックになり実現しなかったろうから、結果としてはそれで良かった。小5くらいの私だったら、私が思いついた時点で歴史が変わり、在りもしなかった着物が奥さんのところに出現などと考えただろう。 昨日も、ヤフオクで落札した物が届いた。これがあったらムード満点であろう、と思いついた物だが、骨董店で購入したらいくらするのか、と思うと出品者には申し訳ないような気がして厚く感謝しておいた。

石塚公昭HP

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回



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