明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



團十郎の身体の方針がきまらず、久しぶりに円朝の首を引っ張り出す。こちらがレギュラーサイズだが、團十郎が大きすぎて小さく感じる。あちらをやったりこちらをやったり数体を平行して作った方が目が練れるのを防ぐことができる。案の定円朝の修正点が見える。こんなことを毎日繰り返している。岡本綺堂はいう、『團十郎もうまい、菊五郎もうまい、もっとも俳優ははその人らしい扮装をして、その場らしい舞台に立って演じるのであるが、円朝は単に扇1本を以て、その情景をこれほどに活動させるのであるから、実に話術の妙をつくしたものといってよい。名人はおそるべきである。』同時代の名人三人だが、どちらかというと円朝と縁があったのは團十郎より菊五郎の方のようである。夕方ついでがあったので、江戸資料館に寄って、貸し出した高麗蔵時代の11代団十郎のサイン入りブロマイドを引き取る。展示はされなかったが。いわゆる“海老様”である、知人の100歳になる御母堂がファンということで差し上げることに。改めて團十郎完成の後収まるケースを見てから帰る。やはりなんらかの格好をさせたくなる。

HP

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