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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

撮影  


北斎2作目のカット。撮影してみると塗りムラが気になるので、ベタ塗りに塗り直した。フィルム時代には考えられないことである。乾くのを待って撮影。 最近の手法で手こずったのは、陰影法と同時に日本的遠近法までで導入しようとしたことであるが、もし少しでも光を描きたかったら矛盾が生じるのでそれは止めておく方が無難である。これは面白いと勇んだところで『ゲンセンカン主人』でつまづいた。この作品では最終的に遠近法を捨て行灯の作る陰影を選んだ。それに絵画と違って、写真ではよほどデフォルメしないと、遠近法の歪みが目立たないことも判った。そこまでする意味はない。もし遠近法を取り入れるのであれば、現実の証である陰影のない場面で飛び道具的に使うべきであろう。いずれそんな場面にも遭遇するだろう。 どうせ世界を描くなら一斉に、と考えてしまうのだが、新版画の川瀬巴水は自分の都合で影を描いたり描かなかったりしている。人間と風景でははっきり分け矛盾を避けている。同一画面でなければ良いと臨機応変。私も学んだ。私の場合、写真のために写真を、人形のために人形からは学ばないことに決めている。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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