明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



たまたま発達障害に関する番組をユーチューブで観たら、発達障害で苦しんだ人の子供時代の再現VTRが出て来て、呆れる程身に覚えのあるエピソードが出て来た。今でこそ出不精で、トイレ以外は一度も立上がらず一日が終わってしまったりするが。子供の頃は落ち着きがなく、多動症に近かった気はしていた。授業中はさすがになかったが、自習時間は教室から出てしまうし、家族で旅行に出かけたときなど、混んだ電車の停車時間の長さに耐えられず、ひょいと下りたらドアが閉まったりした。それでも鉛筆やクレヨンまたは本を渡しておけばいつまでもじっと大人しくしていたし、授業中は悪戯描きを欠かさずすることにより耐えた。 発達障害は空気が読めないという特徴があるらしいが、下町の、窓から手を伸ばすと隣の家を触ってしまい、また通りを一歩超えてテリトリーから外れると危険が一杯だった地域では、人の顔色、空気が読めないとロクな目に遭わない。そのせいなのか人間関係での失敗はない。その分、人との距離間には慎重で、人見知りが激しく、例え酒場でも、そう簡単には打ち解けることができない。 そんな訳で私は発達障害と共通点が多いものの発達障害もどきで収まっているようだが、それにしては随分身に覚えがあったので、高校時代の友人の精神科医に会った時に聞いてみようと思ったが、止めておくことにした。彼こそ高校時代シラケのAと呼ばれていて、空気が読めないこと甚だしく、みんなの輪に混ざるとシラケてしまうので、そんなあだ名がついていた。医者に成り立ての頃、患者といる方が楽だといっていたのを憶えているが、そのおかげで、受け持ち患者の自殺率の低さを誇るという成果につながったのであろう。お互いまあ良かったな、ということで。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP




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